【俊足の長距離ランナーは16ps増】VWゴルフGTD発表 4発ターボディーゼル 199ps
公開 : 2020.02.27 20:10 更新 : 2020.02.27 20:35
欧州では経済性を重んじるホットハッチ・ファンに選ばれてきた、ディーゼル版GTIといえるのが、GTD。8代目では2.0L TDIから先代の16ps増しとなる199psを発生。満タンでの航続距離は800km以上を誇ります。
出力は向上しつつ窒素酸化物は減少
先代から16ps増しの最高出力を獲得したフォルクスワーゲン・ゴルフGTD。改良を受けたディーゼル・ターボエンジンは、環境負荷も減らしている。
初代が登場したのは1984年。フォルクスワーゲン・ゴルフGTDは、ホットハッチの中でも長距離ランナーという位置づけで見られてきた。
最新の8代目ゴルフにも追加となるGTD。最新のスタイリングをまとい、一度の満タンで800km以上の距離を走行できるのがウリだ。
EA288エボと呼ばれる4気筒ターボ・ディーゼルエンジンはアップデート。2つの触媒還元フィルターと、デュアル・アドブルー・インジェクションが搭載される。
最高出力は199psを獲得し、最大トルクは40.7kg-m。先代の7代目ゴルフGTDは183psとなっていた。フォルクスワーゲンによれば、窒素酸化物の排出量を先代比で大幅に削減していると主張するが、具体的な数字は明らかにしていない。
ゴルフGTIとは異なり、GTDのディーゼルエンジンに組み合わされるトランスミッションは、7速デュアルクラッチATのみ。だがサスペンションはGTIと同じ設定で、フロントはマクファーソン・ストラット式、リアがマルチリンク式となる。
さらに電子制御デファレンシャル(XDS)と、アダプティブダンパー(ダイナミック・シャシーコントロール)を統合制御する、最新のビークル・ダイナミクス・マネージャーシステムも採用する。
GTIに通ずるGTD専用スタイリング
ゴルフGTDは標準のゴルフと比べて車高は15mm低く、フロント・ディファレンシャル・ロックとサウンド・アクチュエーターも搭載。ボディ形状は、8代目ゴルフ共通で5ドアのみとなる。
GTDのボディやインテリアは、標準のゴルフからわずかに手が加えられる。フロントグリルはGTIやGTEと同様のデザインとなり、バンパー部分のエアインテークにはハニカム・パターンのメッシュを装備。リアのディフューザーやルーフスポイラーがボディを引き締める。
GTD専用となるのは、フロントグリルに配されるシルバー・トリム。またGTDのエンブレムはシルバーで統一され、ホイールは18インチか19インチが選択可能。GTDにはGTIのように赤いブレーキキャリパーも装備される。
8代目ゴルフに共通する部分だが、ダッシュボード周りには物理的なボタンがほとんど残らず、多くが10インチのインフォテイメント用タッチモニターで操作する。またメーターパネルにも、10.25インチのデジタルモニターが備わる。
ステアリングホイールは新デザインのスポーツタイプ。複数のコントローラーやボタンがスポーク部分にレイアウトされる。
GTIの場合は赤がキーカラーだが、GTDの場合はシルバーがテーマ色。シートファブリックは伝統のタータンチェックが選ばれており、差し色は赤ではなくグレーとなっている。
GTDの欧州での発売は2020年の夏。秋には納車が始まるだろう。英国での価格は確定していないというが、先代の2万4842ポンド(355万円)からわずかに上昇するはずだ。