【3億円で落札】1965年フェラーリ275GTB 6C、相場を超える評価に アールキュリアル・レトロモビル・セール

公開 : 2020.02.28 06:10  更新 : 2021.10.11 09:30

フェラーリ275GTBが、3億円で落札。豊かなヒストリーに加え、6連キャブレター仕様であることが評価されました。パリのオークションをレポートします。

最高落札額 やっぱりフェラーリ

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:ARTCURIAL

世界中からエンスージァストが集まるフランスのクラシックカー・イベント「レトロモビル」。その公式オークションとして、会場内で開かれるのがアールキュリアル・レトロモビル・セールである。

同社はパリを本拠に、シャンゼリゼにある本社内やル・マン・クラシックを舞台に、フランスのオークションハウスならではといえる車両を持ち込むことで親しまれている。

3億円で落札された1965年フェラーリ275GTB 6C
3億円で落札された1965年フェラーリ275GTB 6C

今回のレトロモビル・セールは、幅広い層を対象とするオークションだけに、1億円を超える素晴らしいコンディションに保たれた希少車から、バーンファインドのレストベース車、一般のクルマ好きでも買える100万円台のお値ごろ車までが用意された。

オークションを終えてみれば1億円以上で落札されたクルマは7台を数えた。

そのなかで最高落札額を記録したフェラーリ275GTB 6Cをご紹介しよう。

6連キャブレター

1965年のフェラーリ275GTB 6Cの落札額は、日本円に換算すると3億284万円。

この275GTBは、スイスのディーラーだったモンテベルディ社からチューリッヒに住むジークフリート・ツヴィムファー氏にデリバリーされたもの。ショートノーズの6キャブレター仕様である。

3億円で落札された1965年フェラーリ275GTB 6C
3億円で落札された1965年フェラーリ275GTB 6C

ツヴィムファー氏は自らレースとヒルクライムに挑み、1966年のモンツァ1000kmではGT 3リッター超えクラスで優勝し、スイスの1966年GTチャンピオンを獲得するなど素晴らしいレーシング・ヒストリーを持つ。

オークションではこうしたヒストリーに加え、希少なショートノーズで6キャブレターの6C仕様であることから、最近の相場を大きく超える3億284万円で落札された。

こうしてフェラーリ275GTB 6Cが最高落札額を記録したアールキュリアル・レトロモビル・セール。なお、2番値は1966年ポルシェ906(2億941万円)がマークしている。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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