【公道走行距離の最長記録】日産リーフ「グランドドライブ」 自動運転システム搭載 英国

公開 : 2020.03.10 11:50

より自然な自動運転システム

日産R&Dの上級副社長、デビッド・モスは、より自然な自動運転システムを開発することがユーザーの支持を得るための鍵となると述べている。

モスは、センサーの精度を向上させることに焦点を当てていることについて「当社のシステムは路面標示にあまり依存しません」と語っている。

日産 リーフ・グランドドライブ
日産 リーフ・グランドドライブ

このテクノロジーとドライバーのパフォーマンスを組み合わせ、より人間らしい動きをシステムに反映している。

「最初の5kmのテストルートをマッピングしたのと同じ要領で、すべての道路をマッピングすることはできません」

「コンピューターがシナリオを呼び出して学習できるようにするMUEAVIの機械学習機能が、開発には不可欠となってきます」と付け加えた。

クランフィールド大学の先進車両工学センターの上級講師であるジェームス・ブライトン教授は「追い越しをできる限り快適に行うため改善を行いました。プロセスがスムーズになり、安心感を得ることができます」と述べている。

一部の自動運転車は効率的な方法で追い越しを行うが、自然さを感じられない。

「自動運転リーフは、より早くポジションを確保し、より自然な追い越しラインをたどって、他の車両との間に快適なスペースを残します」と付け加えた。

AUTOCARは、長さ1kmのMUEAVIテストトラックで、道路脇に駐車したクルマを使って追い越しを体験した。

リーフは十分な余裕をもって準備を開始し、十分なスペースを確保しながらクルマを追い越した。

走行中のクルマの追い越し操作については、まだ研究中とのことだ。

ドライバーの行動傾向を反映

ブライトンは、人間の認識能力が日産と日立の自動運転車システムの改良に、大きな役割を果たすと説明する。

たとえば、幅が狭い道では人間のドライバーは自然とスピードを落とすが、自動運転車はそうではなく、乗客を混乱させる可能性がある。

日産リーフ
日産リーフ

車高の高い車両が通過すると、人間のドライバーは本能的に脇に移動するが、自動運転車は関係なく走行を続ける。

そのため、ブライトンは、人間のように運転する自動運転車を作り上げるためには「クルマの速度と位置に対するドライバーの行動傾向を調査し、考慮しなければならない」と述べている。

モスは、グランドドライブのトライアルは大きな成功をおさめ、自動運転システムに、状況への対応方法を教えながら、公道を走り回るのは危険かつ非効率だとする自動運転車業界の主張を拒否するものとなったと述べている。

「安全性を第一に考えています」

「事故の93%以上は人為的ミスが原因です。わたし達が開発している技術は、将来のクルマの安全性を高め、すぐにプロダクションカーに取り入れられるでしょう」と付け加えた。

グランドドライブ

日産リーフ「グランドドライブ」は、ステレオカメラ、レーザースキャナー、レーダー、および軍事用グレードのGPSシステムを備えている。

すべてのデータは、複数の自動運転および車両制御ECUに送信される。

日産 リーフ・グランドドライブ
日産 リーフ・グランドドライブ

トランクはコンピューター機器のラックで埋め尽くされているが、日産は将来的に小型化を進めると述べている。

日立のシステムを搭載したMUEAVIトライアル用の車両には、可能な限り豊かな画像を提供するために、リアとサイドに取り付けられたライダーセンサーと連動する、前向きのステレオカメラが搭載されている。

さらに、リーズ大学は、ビチュオシティー・ドライビング・シミュレータを使用して、運転スタイルと行動データを収集し、自動運転コントローラを、より人間らしく動作するように改良している。

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