ロードテスト ロールス・ロイス・カリナン ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2020.03.01 11:50 更新 : 2020.03.08 03:15
内装 ★★★★★★★★★☆
初めて乗り込む際には、カリナンがそれほど背の高いクルマに思えないが、これはロックを解除してドアを開けると、車高が自動的に40mmダウンするからだ。
観音開きのドアは引いてみると重いが、インテリジェントヒンジステイが止めたところで開き具合をキープしてくれる。乗り込んで間近のボタンを長押しするか、ショーファーが外からキーレスボタンを押すと、ドアは自動で閉まる。
室内は前後ともファントムほど広々とはしていないし、テスター陣の中には後ろヒンジドアは後席の乗降性を妨げるという声もあった。だが、どちらも不満を訴えたいほどの問題ではない。
テスト車のキャビンは、一般的な大型5座SUVのように分割可倒式リアシートを備え、荷室を広げることもできるラウンジシート仕様だ。電動シートバックは完全に平らな状態に格納され、これも電動式の荷室フロアを上げるとフルフラットの積載スペースが手に入る。
このほか、よりロールス・ロイスらしい独立4座も設定される。そちらの後席は左右独立の電動調整シートと固定式のセンターコンソールやリアバルクヘッドのパーティションを備える。
こちらはラゲッジルームとキャビンを隔離することで、室内のリファインぶりを高める。また、特に寒い地域で問題になる、荷室を開けた際にキャビンの平穏が無駄に乱される状況も防ぐことができる。
ドライビングポジションは、SUVらしく高い視点で、ロールス・ロイス品質の豪華絢爛さとセンスに包まれる。ファントムは大きくて地上高もあるリムジンで、ルーフとヒップポイントも高いが、それを20cm少々高い位置へ引き上げたカリナンは、見晴らしのよさを加えたが、ロールスのインテリアでおなじみの見目麗しいテーマはそのままだ。
ブラックバッジならではの変更点には、意外性はないが魅力的な鏡面仕上げのカーボンパネルがある。ロールスがテクニカルカーボンと呼ぶものだ。また、アナログとデジタルの混在するメーターパネルには、赤い針が与えられた。
ロールスとしてはこれくらいが望ましいくらいの上品さだが、カリナンのキャラクターを考えると物足りないかもしれない。もっと威勢のいいムードを求めるなら、フォージイエローという黄色いレザートリムが選択できる。われわれとしては、正気では選ばないと思わずにいられないが。