安価なユニットでも注目に値する

英国では選べるエンジンの種類も多く、ドライバーのニーズに合ったキャプチャーを選ぶことができる。発売当初から英国ではディーゼルエンジンは2種、ガソリンエンジンは3種を用意。2020年後半には、Tテックと呼ばれるプラグイン・ハイブリッドも選択肢に追加される。

昨年、1.3LのTCE 130には試乗しているが、今回英国で試乗したのは、エントリグレードとなる1.0L TCE 100。3気筒ターボ・ガソリンエンジンを搭載する。

洗練度が高められ、ドライバビリティにも優れたユニットだ。これが最も安価なエンジンであることは、注目に値する。

ターボブーストが効く中回転域のトルクは充分に力強い。扱いやすい走行性能を、低いギアから叶えている。ただし、5速マニュアルの中間ギアで走っていると、やや遅く感じられるかもしれない。

キャプチャーのTCE 100は、パワーに余裕があるというわけではないので、念のため。腕の立つドライバーが選ぶタイプのモデルではないけれど。

トランスミッションのフィーリングは、特段の印象もなく普通。乗り心地も平均的なものだろう。やや硬めの設定で、街なかでは特に実感すると思う。

ステアリングは理想的なレシオで、直感的に扱える。郊外の国道を気持ちいペースで走らせるのに相性が良い。一方で、高速域で感じられた波長の長い穏やかな乗り心地は、残念ながら新型には受け継がれていないようだ。

2代目でも人気を匂わせる総合力

2万ポンド（286万円）を切る、シンプルで安価なルノー・キャプチャー1.0 TCE 100であっても、走りが二流に落ちることがないという事実が、喜ばしい。他のライバルモデルでは、こういかない場合が多い。

もちろんお金を払って上位グレードを選べば、より豊かなパワーと高い走行性能を得ることもできる。必要ならツインクラッチ・オートマティックや、少し待てばプラグイン・ハイブリッドも選べる。

新しいキャプチャーが、快適性やハンドリングで、これまでにないクロスオーバーの領域に届いたとまでは思わない。しかし、どんな面を切り取って比べても、最も優れたライバルに肉薄する実力を備えている。

好ましいダイナミクス性能とインテリアの質感、ハンサムなデザインと競争力のある価格。2代目ルノー・キャプチャーの内容を考えれば、人気は今後も続くことになるはずだ。

ルノー・キャプチャー1.0 TCE 100アイコニックのスペック

価格：1万9095ポンド（273万円）
全長：4227mm
全幅：1797mm
全高：1566mm
最高速度：172km/h
0-100km/h加速：13.3秒
燃費：16.1-16.6km/L（WLTP複合）
CO2排出量：136-141g/km
乾燥重量：1190kg
パワートレイン：直列3気筒999ccターボチャージャー
使用燃料：ガソリン
最高出力：100ps/5000rpm
最大トルク：16.2kg-m/2750rpm
ギアボックス：5速マニュアル

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