【なぜEVモードない?】新型フィット公道試乗 ジワっと感じた、ホンダらしい「心地よさ」
公開 : 2020.03.03 10:35 更新 : 2021.10.11 09:30
走りの「心地よさ」とは? 6つの視点
新型フィットの商品コンセプトは、「心地良さ」だ。
とはいえ、「心地良さ」は抽象的かつ、個人差が大きい。
そこで、ホンダが試乗する上で、「心地良さ」を感じやすいガイドラインを示した。
以下、箇条書きとする。
試乗車を確認
エクステリアデザインをじっくり見る。
乗車
ドアハンドルやドア閉まり音の確認、インテリアをじっくり感じる。
座り心地
ボディスタビライジングシートをじっくり体験。
心地よい視界
前方視界、パノラマフロントウインドを体感。
乗り心地
e:HEV、低フリクションサスを体験。
使い心地
ホンダセンシングの体験。
実際、これら6段階を順に追って体験してみた。
試乗車はe:HEV LUXE と、ガソリン車のHOMEをそれぞれ2時間弱で市街地と高速道路、そしてe:HEV CROSSTARが市街地で15分間だった。
本稿では、e:HEV LUXEについて紹介する。
上記6段階の4段階まで、つまりクルマが停止状態では、確かに空間として、質感としての良さを感じるのだが、正直なところ明確な「心地よさ」がわからない。
前方視界についても、確かに広いのだが、「これって心地よさなのか?」という感じ。
ところが……。そんな「心地よさ」に対する迷いが、走り出した瞬間、印象が変わった。
やはり、クルマは走ってナンボ。広々した視野が、心底「心地よい」
新型フィットにEVボタンがない理由
ハンドリングは、キビキビというより、どちらかといえばまったり系で、ライントレース性が良い。
乗り心地は、資料映像では、いわゆるフラットライド感を強調していたが、走行中にそうしたことを意識する感じではない。ただし、ちょっとした砂利道を走った際、低フリクションサスの良さを実感した。
パワートレインは、特に軽いアクセルワークではEVからエンジン介入がわからないほど、自然な感覚。
ただし、深くアクセルを踏み込むと、それまでの「心地よさ」とはやや趣が違う、遮音性は良いが、エンジンの存在感がはっきりわかる。
この点についてホンダのエンジニアは「EVらしさとエンジンらしさ、ホンダらしさをあえて体感できるような演出をすべて詰め込んだ形です。あえてEVモードをなくしたのも、ホンダらしさです」と表現した。
もう1点、ホンダセンシングについては、今回からイスラエル・モービルアイ社の画像認識技術を導入。
日産、マツダも同じ技術ながら、ここでもホンダらしさの演出で、車体性能とサス性能とのバランスを上手くとっている印象だ。
試乗後の感想は、「これが、心地よさなのかなぁ」といった感じだ。
心地よさとは、日常生活のなかでジワジワっと身体と心に浸み込んでいくもの。
新型フィットは、そんなクルマだ。
ホンダ・フィットe:HEV LUXEのスペック
価格:233万円
全長:3995mm
全幅:1695mm
全高:1540mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:27.4km/L(WLTC)
CO2排出量:85g/km
車両重量:1200kg
パワートレイン:直列4気筒1486cc
使用燃料:ガソリン
最高出力(エンジン):98ps/5600-6400rpm
最大トルク(エンジン):13.0kg-m/4500-5000rpm
最高出力(モーター):109ps/3500-8000rpm
最大トルク(モーター):25.8kg-m/0-3000rpm
ギアボックス:CVT