【究極のメガーヌ対決】R26R vs 275トロフィーR vs トロフィーRニュルブルクリンク・レコード・エディション 前編

公開 : 2020.03.28 08:50  更新 : 2021.03.05 21:34

小さなバン?

このクルマは乾燥重量でスタンダードな275から80kgもの軽量化を達成していたが、その手法は初代ほど過激なものではなかった(ふたたび市場からノーを突き付けられることを恐れたに違いない)。

確かにリアシートは取り外されていたものの、ウインドウはガラスのままであり、ロールケージの替わりに採用されていたのはストラットブレースだった。

リアシートは不要な重量増の原因になるだけの存在だ。
リアシートは不要な重量増の原因になるだけの存在だ。

その結果、このクルマを手に入れようというドライバーは、自らに小さなバンを購入するのだと言い訳することも可能だった。

英国での価格は3万6430ポンドへと引き上げられていたものの、導入された車両数はわずか30台に留まっている。

ロラン・ウルゴンがステアリングを握って記録したニュルのラップタイムは、7分54秒3へと短縮されており、セアトレオンクプラ280を4秒上回っていた。

当時、このクルマのことを深く愛したことはいまでもよく覚えている。

そして、その印象がいまもまったく変わっていないからこそ、R26Rと真っ向勝負させることで、この2台がまったくレベルの違う存在ではないということを明らかにしたいと思ったのだ。

R26Rの方がステアリングフィールはより曖昧だと思っていた。

だが、確かに275トロフィーRが適切な重みを感じさせ、よりクイックでレスポンスにも優れてはいたものの、ステアリングの正確性という意味ではこの2台にほとんど違いはなかった。

はるかに野蛮で強烈

そして、同時に275のほうが幅広く、重く、スカットルは高く、そしてはるかに強固なモデルだと感じられる。

さらに、45psというパワーの違いを考えれば驚くには値しないが直線でもより速いのは275の方だ。

カーボンファイバー製ホイールは1万2000ポンド(166万円)のオプションだ。
カーボンファイバー製ホイールは1万2000ポンド(166万円)のオプションだ。

だが、より注目すべきはアクセルオンでもオフでも自然なハンドリングであり、コーナーへと進入すると、275トロフィーRはまさにアペックスへと一直線に飛び込んでいく。

例えスロットルオフでも同じような挙動を見せ、ブレーキを残したままであれば、FFとしては驚異的とも言える、ドライバーの予測どおりの動きで見事なコントロール性を発揮する。

R26Rが比較的繊細で穏やかな様子を見せる一方、275トロフィーRははるかに野蛮で強烈なマシンだ。

最後に、このよく似た3台を、2010年登場のポルシェ911 GT3 RSと、より新しい911 GT2 RSとの比較に使ったもうひとつのテストへと連れ出すことにした。

3台のメガーヌと同じく、この2台のポルシェもドライビングの楽しさに違いはないとしても、新しいモデルの方がより強固で、重く、そして大きく感じるとともに、レスポンスとグリップ、さらに加速力でも古いモデルを上回っていた。

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