【欧州価格を発表】マツダMX-30 初のEVモデル、邦貨換算370万円から 航続距離209km

公開 : 2020.03.04 09:50  更新 : 2021.03.07 00:16

マツダ初のEVモデル、MX-30の欧州での価格が370万円からと発表されました。CO2排出量を極力抑えるため35.5kWhの小型バッテリーを搭載し、ワンペダルは採用しないなど、他とは違う独特なEVとなるそうです。

初のEVモデルMX-30

text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)

2021年初めに発売予定の、マツダ初のEVモデル「MX-30」の欧州向けの価格が明らかとなった。

3500ポンド(48万円)のプラグインカー補助金差し引き後の価格で、2万6995ポンド(370万円)からとなる。

マツダMX-30
マツダMX-30

英国では、2021年後半に発売される標準モデルに先立って、MX-30ファーストエディションの500バージョンが提供さる。

MX-30ファーストエディションの価格設定は、標準MX-30ラインナップの中間に位置すると予想されているが、為替レートやプラグインカー補助金などの不確定要素により、変わる可能性も高い。

MX-30は、多くのEVに見られる、サイレントモーターリングやワンペダル・ドライビングなどの典型的な機能を排除し、EVマーケットに革命を起こす。

マツダは、「走る歓びを犠牲にしたくない」ドライバー向けに、この新しいMX-30を開発したと述べている。

小型バッテリーを搭載

マツダ初の電動モデルは、35.5kWhのバッテリーで駆動する電気モーターを搭載し、143psと27kg-mのパワーを発生する。

航続距離は209kmで、449kmを達成するヒュンダイ・コナ・エレクトリックなど、多くのライバルよりもはるかに短い。

マツダMX-30
マツダMX-30

マツダは、ヨーロッパのユーザーの1日の平均的なドライブ距離が50kmを超えていると述べている。

クルマのライフサイクル全体を通して、CO2の排出量をより多く削減するため、小さなバッテリーを選択したと付け加えている。

調査では、35.5kWhのバッテリーは、ガソリンエンジンを搭載するマツダ3や、アウディeトロンのような95kWhのバッテリーを採用したEVよりも、ライフサイクル全体を通してCO2排出量が少ないことがわかっている。

マツダヨーロッパのR&Dのトップ、クリスチャン・シュルツェは「過度に大きなバッテリーは必要ありません」

「カスタマーが本当に必要とする航続距離と、CO2を削減するためにバッテリー容量をどこまで小さくできるか、検討する必要があります」と述べている。

マツダ車両開発本部の竹内都美子主査は、AUTOCARに対し、高出力または航続距離の長い、フラッグシップMX-30の計画はないと語っている。

他のEVとの差別化

マツダは、多くの運転特性において、MX-30を他のEVと区別することを選択した。

たとえば、多くのEVに比べて回生ブレーキが少なく、人気の高いワンペダル・ドライビングスタイルを避ける一方で、加速性は高くなっている。

マツダMX-30
マツダMX-30

シュルツェは「他のEVに採用されているワンペダルを緩めるよりも、ブレーキを踏み込む方が、大幅な減速の場合は優れていると思います。効果は同じですが、動作が行いやすいと思います」と述べている。

また、トルクが加えられたときに内燃エンジンから聞こえる、さまざまなノイズを再現する人工音も導入している。

マツダは、クルマのスイッチで制御可能な、サイレントオプションを提供するかどうかについては、まだ検討中だとしている。

昨年の東京モーターショーで発表されたクロスオーバーは、マツダ3およびCX-30で使用されている新しいアーキテクチャから派生したプラットフォームを採用しているが、バッテリーとフロア周りのリング構造を増やし「超剛性で高速反応するボディ」を実現している。

マツダは、e-GVCプラスと呼ばれる、マツダのG-ベクタリングコントロールシステムの拡張バージョンを採用している。

マツダはこのシステムについて「電動モーターのトルク特性を活用して、さまざまなシナリオの下で前後負荷シフトを最適化します」と述べている。

シュルツェは、電気モーターを使用すると、エンジンよりも細かいトルク制御が可能になると説明している。

MX-30は、CX-30とほぼ同じ全長だが、わずかに車高が高いためフロア下にバッテリーを収容できる。

マツダが「機能を強化し、MX-30の新しい創造的な用途の幅を広げる」と説明する、ベビーカーや車椅子へのアクセスがしやすい、RX-8の観音開きドアを復活させている。

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