【インタビュー】ピニンファリーナCEO語る 新しいバティスタ/リマックとの関係/ブランドの将来
公開 : 2020.03.05 11:50
ブランドの構築
――ピニンファリーナの次のクルマはSUVとのことですが、最初にバティスタをリリースするのはなぜですか?
「ブランドを構築できるのは一度だけです。ブランドイメージを上げるのは、下げるよりもはるかに難易度が高くなります。アウディがオペル/フォードイメージから、メルセデス・ベンツ/BMWイメージに移行するのに約30年かかりました」
「ピニンファリーナは、コレクターや鑑定家から、非常に高い評価を得ていて『コレクターのアイテム』と呼ばれています。ペブルビーチのオークションをチェックしてください。5台に1台はピニンファリーナ・ブランドです」
「ブランド構築のチャンスはたった1度です。わたし達はバティスタにかけています」
「バティスタを展示した上で、PURAビジョンのようなコンセプトを人々に示すと、高級ブランドの一部であると認識され、価格にハロー効果が現れます。下等モデルから始めた場合、そのハロー効果が不足し、価格はおそらく目標の10%から15%低下してしまうでしょう。高級セグメントではそれは特に重要となってきます」
――うわさ通り、SUVモデルはリビアンのテクノロジーがベースとなるのですか?
「いいえ。2018年11月までリビアンと協力する予定でしたが、アマゾンからの投資後、株主以外との協力をしない方針となったため、リビアンベースのリンカーンを採用することになりました」
「わたし達は、リビアンスケートボードが好きですが、SUV専用に作られているためGTのようなボディスタイルを作ることはできませんでした。ただし、リビアンのプラットフォームに非常に近いものとなるでしょう」
ピニンファリーナの将来像
――5年後のピニンファリーナについて教えてください。
「ほかの高級ブランドが、2025年までに完全に電動化の道を進むとは考えていません」
「例えば、レガシィと責任があるランボルギーニの場合、3つの燃焼エンジンモデルがあり、4つ目のモデルを電動にすることができますが、それでもモデル全体の80または90%が、300-500g/kmのCO2を排出します」
「ピニンファリーナは最初から100%電動、100%ゼロエミッションです。レガシィも責任もなく、まっさらから始めることができます」
「製品計画が整い、ブランドが受け入れられれば、ベントレーやランボルギーニに近づくことができます」
「すぐではないでしょう。市場の潜在力のある適切なセグメントに、スポーツカー、GT、SUVの3つのモデルを投入したとき、実現できると考えています」
――将来的に、ガソリンまたはディーゼルモデルの投入の可能性はありますか?
「わたし達が製造するのは、EVまたはゼロエミッションのクルマのみです」
――つまり、ハイブリッドはないということですか?
「はい。燃料電池と電気の組み合わせをハイブリッドとして定義しない限り、ハイブリッドはありません」
――その技術は開発中ですか?
「水素のテクノロジーの開発を、白紙から行うつもりはありません。パートナーと共に利用できる最高のテクノロジーを見つけることを目標としています。提携企業を探すつもりですが、わたし達にとって水素のテクノロジーの開発は、2030年以降となるでしょう」