【トミカとフェラーリ】50年のうち26年間、販売されず 復活の背景 かなり細かい作り込み

公開 : 2020.03.08 05:50  更新 : 2020.03.29 22:23

フェラーリ社の版権、商品化の権利を得て復活

26年ぶりにフェラーリがトミカに帰って来た理由はタカラトミーがフェラーリのミニカーを商品化する権利、つまり「版権」が復活したからである。

2018年8月以降、トミカ「フェラーリモデル」の著作権に関しては以下が表記されている。

トミカ「フェラーリモデル」の著作権に関する記述。
トミカ「フェラーリモデル」の著作権に関する記述。

「Produced under license of Ferrari S.p.A. The name FERRARI, the PRANCING HORSE device, all associated logos and distinctive designs are property of Ferrari S.p.A. The body designs of the Ferrari cars are protected as Ferrari S.p.A. property under design, trademark and trade dress regulations.」

「Produced under license of M.C.G.: Maisto and Bburago.」

(参考)
トミカ「フェラーリモデル」は、フェラーリS.p.Aのライセンスに基づいて製造されています。

FERRARIという名前、PRANCING HORSE(跳ね馬)のエンブレムや関連するすべてのロゴ、車両の独自デザインはフェラーリS.p.Aの所有物です。

フェラーリ車のボディデザインは、デザイン、商標、トレードドレス規制(知的財産の一形態)の下でフェラーリS.p.A.の所有物として保護されています。

トミカ「フェラーリモデル」は、メイチョングループ(マイスト&ブラーゴ)のライセンス下で生産されています。

注目すべきは最後の1文「Produced under license of M.C.G.: Maisto and Bburago.」である。

マイスト(アメリカ)もブラーゴ(イタリア)もミニカーの有名なブランドで、ダイキャスト製のリーズナブルなモデルを展開している。

「M.C.G」とは、香港に本社がある「メイチョングループ」(美昌集団)のことでマイスト&ブラーゴの親会社のような存在だ。(ブラーゴは2005年に倒産し、2007年にマイスト傘下に入りブランド復活)

つまり、トミカはフェラーリのデザインやロゴを使うことを許されて、なおかつ、ミニカーの商品化についてはメイチョングループがフェラーリから与えられた版権のもとで、トミカのフェラーリモデルを製造していることになる。

同じトミカでもフェラーリの作り込みが凄い

「トミカ」「トミカ・プレミアム」においてはフェラーリだけ特別に高い、ということはない。トミカは450円、同プレミアムは800円と他と変わらない。しかし作り込みはかなり細かい。26年ぶりの復活第1弾として発売された、テスタロッサラ フェラーリを見てみよう。

「トミカ・プレミアム06テスタロッサ」

テスタロッサは1台800円の少し高級な「トミカ・プレミアム」として発売。

2018年(左)、1988年(右)発売のフェラーリ・テスタロッサ。
2018年(左)、1988年(右)発売のフェラーリ・テスタロッサ。

テスタロッサの特徴である展開/収納式ヘッドライトをアクションに採用し、サイドスリット等を忠実に再現することにこだわっている。

ちなみに、テスタロッサは過去にも「トミカ」として1988年に発売されたことがあるが、、金型は全く別物だ。

エンブレムの再現度やタイヤ&ホイールのデザインも全く異なっている。

「トミカ No.62 ラ フェラーリ」

トミカシリーズの中でもっともベーシックな「トミカ」では非常に珍しく、テールライトにも別パーツを使用している。

通常は塗装で表現されるヘッドライトもクリアな樹脂パーツを装着して表現されており上質感がある。

ヘッドライトとボディの際もこれまでにないほどに細い。

トミカの開発者の話によると、通常、新しいトミカを開発、デザインする際には自動車メーカーとの綿密なミーティングが何度も行われるが、フェラーリに関しては特に時間を掛けてそれが行われたとのこと。

ボディカラーなどの指定、仕上がり具合についてもフェラーリ社から細かい指示があり完成に至ったそうである。

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