【意図的リーク?】フォード・ブロンコ、なぜ今24年ぶりの復活なのか 日本でも売れ筋になる可能性

公開 : 2020.03.11 16:50  更新 : 2021.10.09 23:54

「トラックカンパニー」が奏功

トラックカンパニー、という表現。

これは、フォード本社幹部が昔からよく使う。

フォード・ブロンコと考えられる、テスト走行中の試作車。
フォード・ブロンコと考えられる、テスト走行中の試作車。

ここでいうトラックとは、ライトトラックを指し、ピックアップトラックとSUVが含まれる。フォードは、このライトトラックを主流とした自動車メーカーなのだ。

北米でのモデルラインナップでは、乗用車は、フィエスタ、フュージョン、マスタングの3モデルのみ。

一方、SUVでは、エコスポーツ、エスケープ、エッジ、フレックス、エクスプローラー、エクスペディションと6モデルもある。

さらに、ピックアップトラックでは、主軸のF150に加えて、新興国向けなどの世界戦略車であるレンジャーを北米ミッドサイズピックアップトラックとして2019年モデルから復活させている。

フォードはまさに、トラックカンパニーなのだ。

ただし、SUVについては近年、ラインナップに変化が乏しく、インパクトが強い商品の必要性がディーラーにとっても、ユーザーにとっても高まっていた。

そこで、2017年のF150フルモデルチェンジを受け、F150とプラットフォームを共通化したブロンコが復活することになった。

新型ブロンコについてフォードは「本格的四駆であり、しかも日常遣いに便利なファッショナブルなSUV」と説明する。

当然、ライバル視されるのは、ジープラングラーになる。

ブロンコきっかけで日本正規輸入復活は?

ブロンコのスペックについては、パワートレインに関して現時点では正確な情報はない。

だが、ライバルがジープ・ラングラーであることは確実のため、F150搭載のV型6気筒2.7Lや同3.0Lのエコブーストエンジンが主流になる可能性がある。

ジープ・ラングラー
ジープ・ラングラー

価格としても、ラングラー、またはフォード自社のエクスプローラーを意識して、北米市場では4万ドル台(1ドル105円換算で400万円台前中盤から500万円台前半)と見るのが妥当だろう。

気になる日本市場への導入だが、当面は並行輸入となるだろうが、どこかのタイミングで正規輸入復活があるかもしれない。

理由は、ブロンコが2ドアと4ドアのほか、ジープ・グラディエーターのようなSUT(スポーツ・ユティリティ・トラック)への横展開が期待され、そうなるとジープのようなブランドとして成立する可能性があるからだ。

アメ車は過去10年ほどで様変わりした。北米でセダンからSUVへの一気にシフトし、いまやライトトラックは市場全体の7割を占める。

ライトトラックの中で、ジープを筆頭とする本格派SUVの販売が堅調で、このトレンドが日本にも及んでいる。

ブロンコをきっかけに、フォードが新戦略を引っ提げて日本再上陸の可能性もゼロではないと思う。

記事に関わった人々

  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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