プジョー308 1.6 e-HDi

公開 : 2013.08.29 20:00  更新 : 2017.05.29 19:01

■どんなクルマ?

プジョー308は、ヨーロッパのセールスの1/3を占めるCセグメントでのシェアを取り戻すために重要な役割を持ったモデルだ。そのために、新しいプラットフォームと高いクオリティ、そして斬新な技術を採り入れたモデルとなっている。10年後のプジョーのファミリー・ハッチバック・マーケットを占う重要な存在なのだ。

1990年台、プジョーは306でこのマーケットで成功を収めた。英国では306は450,000台ものセールスを記録した。しかし、2007年に登場した前の308は、かろうじて120,000台を販売したにすぎない。

PSAは、この308を新たにフォルクスワーゲンをベンチマークとして徹底的にマークして開発したという。

EMPプラットフォームは、そのキーともなる重要な役目を持つ。それは欠陥のあった208が成し得なかったものだ。アッセンブリが改善され、アルミニウムとのコンポジット素材が多用されたことによって、前モデルよりも140kgの重量軽減に繋がっている。ボディ・サイズは、全長4250mm、ホイールベースが2620mmだ。そのサイズは、旧308よりも僅かに低く、そして広くなった。また、アンダーフロアのプラットフォーム・デザインはエアロダイナミクス面で改良された。

インテリアはiコクピットというネーミングのデザインが採用された。目玉はダッシュボードの9.7インチのタッチ・スクリーンだ。ブート・スペースは435ℓで、さらにブート・フロアを上げれば35ℓがプラスされる。

エンジンは、ガソリンが1.2ℓのVTiと1.6ℓのHDi、ディーゼルが2種類の1.6ℓのHDiというラインナップ。このうち115bhpバージョンは、26.3km/ℓの燃費と98g/kmのCO2排出量を誇る。来年初めには、e-THPの3気筒エンジンと、1.6ℓおよび2.0ℓのブルーHDiエンジンも加えられる予定だ。

■どんな感じ?

そのスタイリングは印象的だ。少なくとも、208のように見るものによって判断が異なるようなものではない。すらりとした一塊のようなフォルムで、メルセデスのAクラス較べるとガラス面積が多いのも特徴だ。キャビンは、フォードとやフォルクスワーゲンほどまで広くない。180cm級の人が5人腰掛けるとなるとやや厳しいものがある。

乗ってまず驚くのが、その10.4mという小回りの効く最小回転半径だ。また、ディーゼルのノイズは防音が効いておりほとんど室内に入ってこない。

低速での乗り心地は、16インチ・ホイールを履いたテスト・モデルでは快適だ。フランス車独特の足の長いサスペンションは、高速道路でもリラックスしたクルーズが可能。1.6ℓのHDiエンジンも必要にして充分なパワーを持つ。その27.5kg-mというトルクは非常に有用だ。

その真髄はステアリングにある。機敏で刺激的なフィーリングだ。サスペンションが柔らかいので、ロール初期の沈み込みは大きいが、適切な接地バランスを持っているため、安定したコーナリングが可能だった。

■「買い」か?

まだ、英国向け右ハンドルの価格が発表されていないが、£14,600(221万円)がスタートラインと思われる。フォルクスワーゲンをはじめとするこのクラスのトップ3に割り込めるかどうかが楽しみだ。

(ニック・カケット)

プジョー308 1.6 e-HDi

価格 £14,600(221万円)〜
最高速度 192km/h
0-100km/h加速 10.2秒
燃費 26.3km/ℓ
CO2排出量 98g/km
乾燥重量 1160kg
エンジン 直列4気筒1560ccターボ・ディーゼル
最高出力 115bhp/4000rpm
最大トルク 27.5kg-m/1750rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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