【神は細部に宿る?】最高の自動車ディテール9選 AUTOCAR英国編集部が選出
公開 : 2020.03.19 19:20
BMW 3シリーズ(E21):インナードアハンドル
これまでに登場したなかで最高のインナードアハンドルとは、E21世代のBMW 3シリーズに搭載されていたものだ。
エルゴノミクス的に完ぺきなドアハンドルであり、ドアにある貴重なスペースを浪費し、エンジニアの意味のない自己満足を感じさせるプラスティックやクロームの替わりに、このドアハンドルは引手と一体化されていた。
特に意識することなくただ引っ張れば良いだけだ。
使えば使うほど馴染むのであり、他のクルマで車外に出ようとして、ハンドルを引いてもドアが開かないという事態に直面するまで、このアイデアの素晴らしさを意識することはないだろう。
ジェームス・ルパート
スコダ:ボトルクレンチャー
ほとんどのスコダのモデルで採用されているカップホルダーの底には、樹脂成型された5つのマウンドが付いている。
単なる装飾か、こぼれた飲み物にボトルの底が付かないようにするためのものだと思うかも知れないが、炭酸飲料などのボトルを実際に置いてみればこのマウンドの持つ意味が分かるだろう。
それまで必要性すら認識していなかった、もっとも実用的な発明であり、ボトルを回転させると底が固定され栓を開けることが出来るようになるのだ。
運転中に両手か、太ももにボトルを挟んで片手でボトルの栓を開けようとしたことがあるひとならば、誰でも直ぐにこのシンプルなパーツがもたらす安全上のメリットを理解するに違いない。
ジム・ホールダー
フェラーリ365 GTB/4’デイトナ’:アウタードアハンドル
数百万年前、完ぺきな姿を手に入れたことでサメは進化を止めたと言う
50年前、このドアハンドルもその境地に達していたのであり、世界の自動車デザインは洗練されていながら、他のデザイン要素を阻害することのないこの小さなシルバーのフックを見て、「オーケイ、だれもこれ以上のデザインなど出来ないだろう」と、言うべきだったのだ。
その後50年、確かに誰もこれ以上のデザインをすることはなく、この先もきっとそうだろう。
つまり、完ぺきなものを改善など出来ないのだ。
アンドリュー・フランケル
フォルクスワーゲンGTI:タータンチェック
フォルクスワーゲンの部品番号「199 398 500 A」を選ぼうかとも思ったが、この正規の番号を与えられたカリーブルストを実際にパーツとして使用しているモデルは存在しないのだから、明らかにこの選択肢は無かった。
替わりに選んだのが、もうひとつのフォルクスワーゲンが誇る伝統、GTIのタータンチェック模様のファブリックだ。
高価なレザーやアルカンターラといった素材のことは一旦忘れて欲しい。
個人的に、GTIが採用するタータンチェックは、特定のモデルと結びついた唯一のファブリックデザインだと思っている。
パワーアップしたエンジンや改良されたサスペンション、ツインエグゾーストパイプなどとともに、GTIを象徴するのがこのタータンチェックなのだ。
ジェームス・アトウッド