インフィニティQ70L 2.5
公開 : 2013.08.31 12:30 更新 : 2017.05.29 18:28
■どんなクルマ?
中国市場専門に販売されるインフィニティMである。その名前は、間もなくSUVモデル、QXからスタートするQではじまるネーミングがに変わることとなっている。このインフィニティMもQ70というネーミングに変わる予定だ。
MとQ70との差はバッジの変化でしかない。BMWの5シリーズやメルセデス・ベンツEクラス、ジャガーXFと同じように、そのロング・ホイールベース・バージョンが中国専用モデルとして用意される。ちなみに、このQ70のロング・ホイールベース・バージョンは、通常のモデルよりも150mm長いホイールベースを持つ。
■どんな感じ?
190cm級のパッセンジャーがリア・シートに腰掛けても充分な余裕がある。しかし、リア・シートに3人が乗るとなると、ドア・フレームあたりのヘッドクリアランスが不足する。とはいうものの、この手のサルーンに5人が乗り込むことはないし、5人のために充分なスペースが確保されることを希望するのならリムジンを選べば良いことだけだ。また、トランク・スペースは、クラスの割に小さい。というのもホイールアーチの張り出しがあるからだ。
エンジンは英国スペックのM37に使用される3.7ℓV6と2.5ℓV6の2本立て。今回試乗したのは2.5ℓモデルだ。
可変バルブ・タイミングを持つ24バルブ・エンジンで、中国市場向けに84bhp、10.8kg-mほどデチューンされた232bhp、25.8kg-mのパワー、トルクを持つ。パワー・トレインは滑らかだが、高回転域で伸びるタイプではない。おおよそ4000rpm以下を保っておくのがよいだろう。
英国のMシリーズのようにパドル・シフトを備えた7速オートマティック・ギアボックスが組み合わせられているが、そのキックダウンやシフト・アップのタイミングは遅い。また、サスペンションはロールが大きく、英国仕様のMシリーズのような機敏さはない。ステリングも軽く、フィーリングにかけているものだ。
しかし、いくつかの凸凹した路面を除けば、乗り心地は快適だ。また横方向のボディ・コントロールも安定している。ブレーキは1800kgのボディを制動するに充分なパフォーマンスを持っていた。
■「買い」か?
Q70Lは、英国のMシリーズから受け継いたフレンドリーなパワートレインと、ダイナミックなセッティングを受け継いだモデルだ。その余裕ある室内は、特定のユーザーにアピールすることになろう。
(リチャード・ウェーバー)
インフィニティQ70L 2.5
価格 | NA |
最高速度 | 230km/h |
0-100km/h加速 | 9.2秒 |
燃費 | 10.0km/ℓ |
CO2排出量 | 239g/km |
乾燥重量 | 1810kg |
エンジン | V型6気筒2495cc |
最高出力 | 232bhp/6400rpm |
最大トルク | 25.9kg-m/4800rpm |
ギアボックス | 7速オートマティック |