【ハイソカーの元祖がここに】なぜ「ソアラと言えば2代目!」なのか すこし悲しき4世代の歴史

公開 : 2020.03.20 07:20  更新 : 2021.10.09 22:39

ソアラと言えば2代目! のワケ

ソアラ誕生のヒントとなったのは欧米発祥の高級パーソナルクーペたちである80年代の初頭といえばBMW 6シリーズジャガーXJS、メルセデスSLCなどがその代表格といえる。

たった2人しか乗れない贅沢なスポーツクーペは、例え技術的な課題をクリアできたとしても、市場にそれを受け入れるだけの余裕がないと成立しないところがあった。

Z30系と呼ばれる3代目ソアラは1991年に登場。もともと北米市場を狙って開発されたモデルであり、上級パーソナルクーペとしての色が濃かった。後輪操舵を備えるなど、最新技術を投入するという姿勢は受け継がれていた。
Z30系と呼ばれる3代目ソアラは1991年に登場。もともと北米市場を狙って開発されたモデルであり、上級パーソナルクーペとしての色が濃かった。後輪操舵を備えるなど、最新技術を投入するという姿勢は受け継がれていた。

わが国の高級クーペの始祖といえばトヨタ2000GTが有名だが、60年代後半のわが国では打ち上げ花火的な存在にしかなりえなかったのである。

だが2000GTの精神的な後継といえる初代ソアラは、見事にパーソナルクーペを定着させることに成功したのである。

とはいえ現在のトヨタのラインナップに、ソアラの名はない。

ソアラが日本の自動車技術の粋を集め、パーソナルクーペの世界を謳歌したのはこの2代目までだった。1991年にデビューした3代目ソアラは、北米市場を狙って企画されていた。

このためボディは大型化され、V8を積むなどアップグレードされていたが、初代や2代目のような煌めきをまとってはいなかった。

さらに4代目は、2005年に日本でもレクサス・ブランドがスタートしたことを受け、モデルライフ半ばでソアラの名を失ってしまったのだった。

4代に渡るソアラの歴史を振り返ると少し物悲しくもあるが、だからこそ「ソアラといえば2代目!」という記憶がより鮮明なものとして残っていることも確かなのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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