【今あらためて試乗】トヨタ・ソアラ2.0GTツインターボ(Z20) 白いソアラで青春は取り戻せる?
公開 : 2020.03.20 16:50 更新 : 2021.10.11 14:51
2代目ソアラ=ソアラ2.0GTツインターボ(Z20)に試乗します。見た目のかっこよさからスポーティな走りを想像していると、少し面食らってしまう? オリジナルコンディションをキープした個体です。
白い2代目ソアラ、色褪せない美しさ
2代目ソアラといえば白いボディ、スーパーホワイトのイメージが強い。
今回撮影したソアラは昭和62年式(1987年)の2.0GTツインターボというグレードで、神奈川県厚木市にあるショップ、ZOOMが販売していた車輛である。
取材した時にはすでに売れてしまっていたのだが、「若い頃憧れたソアラにもう一度乗ってみたい」といってこのクルマを手に入れたオーナー氏は快く撮影を許可してくれたのだった。
走行距離はたったの4万8000kmで、しかも内外装ともフルオリジナルの状態という珍しい個体である。
80年代~90年代は、現在よりもはるかにドレスアップやチューニングが盛んだった。ソアラのような国産スペシャリティカーといえばステアリングやホイールがアフターのものに変わっていて当たり前のような風潮があった。
2代目ソアラは4スポーク型のステアリングが一般的だが、2.0GTツインターボだけは3スポークのスポーティなタイプが標準だった。
また少し高すぎるように見える車高も、足回りが純正状態にあることを表している。
2代目ソアラは、同じ時代のトヨタ・マークII(6代目、X80型)をクーペ化したようなボディを与えられているが、現代の眼で見ても端正で美しい。
一方インテリアは茶色のモケットで、こちらは80sの日本車らしさが香る。さっそく走り出してみよう。
80sを感じさせるターボの高まり
こげ茶色のダッシュボードは樹脂の成型部品だが、ドアの内張まで続くラップアラウンドデザインでスポーティさが漂う。
センターコンソールに並んだスイッチ類は80年代に流行したステカセ風の大きなもの。メーターは当時最新のスペースビジョンメーターと呼ばれるデジタル表示、メーターの右にターボのブースト、左にシフトインジケーターが来る配置も実にまとまりがいい。
興奮が最高潮に達したところで走りはじめると……これがフツーなのである。
目をつぶっていたら、これが80年代のクラウンなのかカローラなのかわからないくらいに穏やかな乗り心地でクセがない。
見た目のかっこよさからスポーティな走りを想像していると、少し面食らってしまうかもしれない。
一方2Lツインカム、ツインターボの1G-GTEUは、過給が始まる3500rpmあたりまでは少し心許ないが、そこから急激に圧が高まっていく様子がわかる快速ユニットだ。
シフトアップの度にドラマがあるので、現代のエンジンよりもよほど個性的といえる。
ガツンと来るパワーを受け止めるボディの方はフワフワしたままなのだが、それが返って80年代の日本車らしい懐かしさに繋がっている。