【頭文字D(イニシャルD)】「藤原豆腐店跡地」の看板が存在 設置したのは誰なのか?

公開 : 2020.03.20 05:50  更新 : 2020.03.20 08:18

藤原豆腐店とは「頭文字D(イニシャルD)」の主人公の父親が営む豆腐店のこと。かつて存在した「藤野屋豆腐店」がモデルです。区画整理によって店が取り壊されましたが「跡地」の看板がありました。

藤原豆腐店とは何なのか?

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

藤原豆腐店とは「頭文字D(イニシャルD)」の主人公藤原拓海の父親、藤原文太が営む豆腐店のことである。

拓海は父親の手伝いで中学生になった頃から店のクルマであるスプリンター・トレノ(AE86)に出来立ての豆腐を載せて、毎朝午前4時に豆腐店を出発し秋名峠を上って秋名湖(榛名湖)の近くにあるホテルに朝食用の豆腐を配達してきた。

「藤原豆腐店跡地」の看板。 撮影:加藤博人
「藤原豆腐店跡地」の看板。 撮影:加藤博人

その豆腐店は群馬県渋川市寄居町にかつて実在していた「藤野屋豆腐店」がモデルとなっている。藤野屋豆腐店は100年以上続く歴史のあるお豆腐屋さんだ。

2005年9月に公開された実写版香港映画「頭文字D THE MOVIE」の撮影でセットとして使われた。その際、看板などを掛けかえて「頭文字Dに出てくる藤原豆腐店」とまったく同じ仕様としたのである。

撮影が終わってからもそのままの状態で営業していたため。アジアを中心とした世界中のイニDファンにとっての「聖地」となった。

しかし、区画整理によって店が取り壊されることになり、また、後継者がいないなどの理由もあって藤野屋豆腐店は2006年9月で営業を終了した。(2009年頃までは、まだ建物だけは残っていた。)

筆者が訪れたのは2006年4月だったが、その5か月後に営業が終わったことになる。

藤野屋豆腐店を営むお店のおばさんと話をした際、区画整理でお店が無くなることや、看板を含めた店構えを引き取って移築したいというファンの方がいる、などのお話を伺ったのだった。

「藤原豆腐店『跡地』」の看板を発見!

藤原豆腐店」は「史跡」としてグーグル・マップに登録されている。(誰がいつ登録したのかは定かではないが、グーグル・マップでは誰でも登録が可能。公序良俗に反するなどの理由で通報されない限り、削除されることもないそうだ)。

そして、トップに出てくるのは、「藤原豆腐店跡地」の看板だ。最初にそれを発見した時にはとても驚いた。

頭文字Dの中では「藤原豆腐店」だが、実際の豆腐店は「藤野屋豆腐店」という名前だった。
頭文字Dの中では「藤原豆腐店」だが、実際の豆腐店は「藤野屋豆腐店」という名前だった。

確かに、藤原豆腐店は取り壊されてしまったのでかつての場所にはない。(藤原豆腐店の看板や出入口の扉に2階の窓にあった手すり、豆腐を作る際に使っていた様々な道具なども含め、すべて、伊香保おもちゃと人形・自動車博物館に移築されている。)

つまり、イニDファンが聖地を訪れたとしても、そこには新しい住宅があるだけで藤原豆腐店の痕跡は何1つ残っていないわけだ。

それゆえこの「跡地」を教えてくれる看板は訪れた人にとってはとてもありがたい存在になっているのだろう。

看板が設置されているのは、新しく建てられた戸建て住宅のフェンスである。隣は、「梅月」という割烹料理店があったがお店は現在営業していない。

ちなみに「梅月」は区画整理の対象とならず、豆腐店が営業していた時から同じ場所にあり、現在も建物が残っている。

あとでわかったことだが、「藤原豆腐店跡地」の看板第1号は、この梅月のフェンスに設置されていたのである。

梅月のご主人が「遠くから藤原豆腐店を目指してきたのに、何もないのはかわいそうだから」と、物語に登場するクルマの写真と共に手作りの看板を掲げていた時代があった。

しかしその梅月もお店を閉めることになり、跡地看板第1号も撤去されてしまったのである。

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