ロードテスト アウディRS6アバント ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2020.03.21 11:50  更新 : 2020.04.03 08:36

強力なエンジンや先進技術の多用で走りを磨き上げた新型RS6。クラストップをうかがえるハイパフォーマンスワゴンですが、ドライビングの楽しさより使い勝手や豪華さが際立つイージーなクルマに仕上がっていました。

はじめに

妥協なき大きさと速さ、そしてこの上ない実用性を備えたパフォーマンスワゴンを生み出すという点で、アウディに及ぶものはいまだない。

今でもこのコンセプトは馴染み深いものなので、今後も存続するのは当然と考えるだろうが、ライバルたちは徐々に近づいてきている。しかも、身内同士の競争も激化してきている。

考えるとおかしな話だが、RS6アバントが誕生して20年近い歳月が経った。すばらしく実用的だがみごとに控えめなワゴンの中でも、もっとも大きく、速く、魅力的なそのバリエーションは、2002年に初代が登場した。

長らく存在しなかった不思議なキャラクターは、すぐに人気を得た。それは、典型的なパフォーマンスカーに付きものの問題点にもはや頭を悩ますことがないのだから、今後も長く指示され続けるはずだ。

この第4世代によって、RS6は華々しい成人式を迎えることになるだろう。10年ほど前には、短期間ながら記憶に刻まれるV10ツインターボに浮気したこともあった。だが、それ以外にはV8ターボが積まれ、RS6のキャラクターを定義づける助けとなってきた。この新型も、エンジンはV8を採用している。

もちろん、クワトロことフルタイム4WDも備える。これまた、世界的に個性と地位を確立する上で強い影響力を発揮したメカニズムだ。

一方で、この新型の性能向上を図るため、新技術も導入。社会的責任というべき燃費性能も改善するマイルドハイブリッドから、運動性能を高める四輪操舵まで、それらは多岐にわたる。

ますます力をつけてきたライバルたちに後れを取らないことを目指したものだが、それは先代以上のアウトバーンクルーザーの誕生をおおいに予感させるものでもある。はたしてそれは、みごと達成されているのだろうか。

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