【影響は未知数】コロナショック、自動車産業への影響は? 日本市場には「ボディブロー」
公開 : 2020.03.20 08:50 更新 : 2021.10.09 23:54
中国でディーラー経営に影響は?
欧州でも、感染が収束することで今夏頃から自動車販売台数は徐々に回復基調に入ると見られる。
だが、フォルクスワーゲン・グループの幹部は欧州メディアの取材に対して「(3月時点で)今年の事業実績の見通しは立たない」と、市場の予測が極めて難しいという見解を示した。
フォルクスワーゲン・グループでは、フォルクスワーゲンID.3やポルシェ・タイカンを皮切りに2020年代は大規模なEVシフトを推進するため、研究開発や部品購買に巨額資金を投じている。金利負担などコロナショックの影響は大きい。
一方、EVシフトを国策として進めている中国でも、EVなど電動車だけではなく、自動車産業全体に極めて大きな打撃を受けている。
中国汽車工業会によると、2020年2月の国内販売総数は前年同月比79.1%減の31万台と壊滅的な状況だ。
中国政府によると、新型コロナウイルスの感染はピークアウトし、上海や北京など主要都市の経済活動は徐々に回復しているとしている。
気になるのはディーラーの経営だ。
中国市場は2000年代からの高度経済成長によって世界中の自動車ブランドが中国市場に集結し、ディーラー乱立状態となった。
その後、自然淘汰されたが、未だにディーラー数が過剰な地域もある。コロナショックによって、ディーラーの経営破綻と再編が進む可能性も否定できない。
では、日本市場への影響はどうか?
日本市場にはボディブロー?
日本市場への影響はどうか?
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会によると、2020年2月の登録車の販売総数は前年同月比で10.7%減となった。2019年10月の消費税アップ以来、5か月連続で前年比割れとなった。
一方、前月比では21.1%増となった。要因は、小型SUVトヨタ・ライズやカローラが先月からの好調を維持した上で、コンパクトカーの人気車であるホンダ・フィット/トヨタ・ヤリスがともに新型車が発売開始された効果が大きい。
軽自動車も消費税アップの影響が続き、全国軽自動車協会連合会によると、2020年2月の販売総数は前年同月比で9.6%減の16万1883台となった。
モデル別では、人気車ホンダ「N-BOX」が微減となる中、昨年フルモデルチェンジした日産デイズや、スズキ・ハスラーが発売以来の好調を保っている。
日本での新型コロナウイルスの影響は、2月末に政府による全国小中高校の休校が要請や、北海道での緊急事態宣言などを基点に、企業や家庭に経済的な影響が出てきた。
そのため3月の新車販売は当然、登録車と軽自動車それぞれで前月比割になる可能性がある。
本稿執筆時点で、日本自動車市場の今年の動きを予測することはできないが、イメージとしては、新車と中古車販売にボディブローのように影響が及ぶのではないだろうか。