【上品なSUV 内装はなぜ白?】ボルボXC90のマイチェン版と、DS 7クロスバックの追加モデルで判明

公開 : 2020.03.22 08:50  更新 : 2022.04.23 12:04

リヴォリ通りの名 内装に

ここ数年、ボルボが好評を得ているのは、この「内装力」によるところが大きい。「カーボン風」「アルミ風パネル」といった見た目だけのなんちゃって質感パーツがないのだ。

今回試乗したのはオプション約110万円分を加えた、ベース価格で959万円の特別仕様車だが、シート素材以外はデフォルトで価格に含まれる内装だ。

DS 7クロスバックは内外装をコーディネートできる「オートクチュール」サービスを用意。試乗車の内装は、リヴォリというテーマに追加されたパールグレー・レザー。
DS 7クロスバックは内外装をコーディネートできる「オートクチュール」サービスを用意。試乗車の内装は、リヴォリというテーマに追加されたパールグレー・レザー。

対するDS 7クロスバック・グランシックの「リヴォリ」のナッパレザーは、新たに追加された「パールグレー」。真珠に想を得たこの「グレージュ(グレー+ベージュ)」には少し暖色のニュアンスがある。

艶消しチャコールグレーのダッシュボードやステッチラインと相まって、地味ハデ・コントラストの白内装だ。

ベース価格は589万7000円にパノラミックサンルーフとナイトビジョンなど約60万円弱のオプションが載っている。

アイコンとなるか 反転時計

XC90と同じ2Lディーゼルとはいえ、DS 7クロスバックは車格的にXC60XC40の中間。

イグニッションONで反転する時計からセンターコンソールにかけ、クルー・ド・パリと呼ばれる打ち目模様のインサートが目を引くものの、アルミ風プラスチックなので素材感という点では見劣りする。

DS 7クロスバック・グランシックのインパネ中央に陣取る反転時計。
DS 7クロスバック・グランシックのインパネ中央に陣取る反転時計。

とはいえ近年、ポルシェカイエンランボルギーニも採用するフォルシア社製のシートは、アタリは柔らかいが横方向のサポートに優れ、ドイツ車よりはソフトだがあくまでスポ―ティなRデザインのシートに座り心地で引けをとらない。

ただしボルボの方は、事故時の着地ショックを和らげるランオフロードプロテクションという、独自のパッシブ・セーフティ装置を備えるなど、安全面では独走感すらある。

“寛ぎ”の白 首尾一貫がキー

いずれも前半分が開くパノラミックルーフを備えた白内装ながら、インテリア全体の印象は180度異なる。

採光性の高い大きなグラスエリアから、明るく開放的な3列シートを実現したXC90は大家族歓迎のピープルムーバー的な、健康で朗らかな空間。

3列目まで安全性は一緒と明言するボルボ。カーテンエアバックもしっかりカバーする。それだけに、導入当初から3列シート車を標準としている。
3列目まで安全性は一緒と明言するボルボ。カーテンエアバックもしっかりカバーする。それだけに、導入当初から3列シート車を標準としている。

一方のDS 7クロスバックは、濃いグレー内張りのマットな艶消し効果と、下半分だけレザーシートの明るさによる間接照明ライクな効果で、プライバシー性の高いラウンジ風の空間だ。

こうした首尾一貫したテイストのある内装は、加飾パーツだけで世界観を造りがちな国産車やドイツ車にはない魅力といえる。

今回は箱根の別荘地から湖尻峠の短いワインディングという条件での試乗だったが、まずXC90のD5、48.9kg-mの強大なパンチ力に面食らった。

記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 南陽一浩

    Kazuhiro Nanyo

    1971年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。ネコ・パブリッシングを経てフリーに。2001年渡仏。ランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学で修士号取得。2005年パリに移る。おもに自動車やファッション/旅や食/美術関連で日仏独の雑誌に寄稿。2台のルノー5と505、エグザンティア等を乗り継ぎ、2014年に帰国。愛車はC5世代のA6。AJAJ会員。

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