ロードテスト ルノー・キャプチャー ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2020.03.28 11:50
内装 ★★★★★★★☆☆☆
運転席のドアを開けると、新型キャプチャーと5代目にあたる現行クリオとの関係は一目瞭然だ。兄弟分のハッチバックと同様、こちらも内装は全面的に見直され、ルノー最新の構造を適用。このクラスでもビジュアル的な魅力に優れたモデルのひとつに挙げられる。
そのルックスはたしかにすばらしい。だが、もっと間近で確かめると、質感はそれほどでもないことに気付く。ダッシュボード上面を覆うソフトタッチのプラスティックと主なスイッチ類はまだしも、低い部分は奥深くまで手探りするまでもなく、硬くてチープな手触りのパーツが見つかってしまうのだ。
とりわけATのセレクターレバーの感触は、ペラペラでもろそうなフィール。スナップだけで素早くギアを入れようとすると、強い反動とハウジング周辺のガタつきに見舞われる。
運転中に操作される機会の多いパーツとしては、この手の問題点を見落とすというのはどうにも腑に落ちない話だ。質感向上を図るなら、確実になくすべきものだといえる。
キャビンスペースも、それほどほめられたものではない。実測したところ、ヘッドルームの最大値がクリオより40mm小さいのだ。もっとも、室内の広さに関してはどちらのクルマも不十分に感じられるが。
テスト車はサンルーフを装着していたが、これも頭上が低くなる一因だ。後席に身長のある乗員を乗せる機会が多いなら、非装着車を選んだほうがいい。
後席は、背の高い大人でもそこで過ごせるだけの広さがある。とはいえ、かろうじてといったレベルに過ぎない。スライド式のシートを一番後ろまで下げても、レッグルームは680mmまでしか伸ばせない。ヘッドルームは920mmを計測したが、それも平均的な数値だ。
たしかに、それらはクリオを上回る。また、ヒップポイントの高さは、乗降性の高さをもたらす。それでも、より控えめなフォルクスワーゲン・ポロがヘッドルームは950mm、レッグルームは690mm確保していることを考えれば、より大ぶりなクルマとしてはたいして評価できるものではない。
ただし、室内のさまざまな場所に小物入れやトレーが用意されていることは、少なくとも好材料といえる。ダッシュボードから半島上に突き出した多層構造のコンソールは、とりわけ使いやすい。ワイアレス充電パッドや、財布や携帯電話、キーなどを人目から隠せるような多くのスペースが用意されている。
ラゲッジルームは通常時で422Lと、なかなかのキャパシティがある。さらに、後席を前進させれば536L、フォールドすれば最大1275Lまで拡大できる。