【SUVとして見事なバランス】メルセデスAMG GLC 43に試乗 マイナーチェンジ

公開 : 2020.03.27 10:20

ミドルSUVとして見事なバランス

マイナーチェンジ後も、GLC 43は素晴らしい乗り心地と運動性能を両立している。サスペンションは路面の凹凸をスムーズにならしながらも、ハンドリングは充分にシャープ。長距離でも快適な、パフォーマンスSUVに仕立てられている。

スポーツ・モード以上を選ぶと乗り心地は引き締まるが、過度には硬すぎない。軽くはないGLCの車重を上手に制御している。

メルセデスAMG GLC 43 4マティック・クーペ・プレミアム(英国仕様)
メルセデスAMG GLC 43 4マティック・クーペ・プレミアム(英国仕様)

しかし、本気でコーナーを攻めようとすると、大きなボディロールを生じてしまう。敏腕のエンジニアでも、背の高いSUVがもたらす物理の法則を、ごまかすことは簡単ではないのだろう。

フェイスリフト前も同様だが、より安価で車内空間が広い通常のGLCではなく、クーペボディを選ぶ理由に疑問がなくもない。一方で390psを誇るツインターボを搭載したGLC 43なら、その疑問は多少は小さくなる。

あまり合理的に考えない方が良いのだろう。ポルシェ・マカンGTSやアウディSQ5などと同様に、実際の市場の人気は小さくない。

動的な性能と車内空間の広さ、豪奢さという両立が難しい課題を、メルセデスAMG GLC 43はSUVのカタチで見事に達成している。一見、矛盾するような組み合わせだからだ。

スピードやハンドリングでは、一部のライバルの方が鋭いことも間違いない。だがAMGはすべての面において、秀逸な完成度を獲得している。

パフォーマンスSUVとしてだけでなく、ラグジュアリーSUVでもあり、ファミリーSUVでもある。見事なバランスだといえるだろう。

メルセデスAMG GLC 43 4マティック・クーペ・プレミアムのスペック

価格:5万3880ポンド(727万円)
全長:4731mm
全幅:1890mm
全高:1600mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:9.3-13.4km/L
CO2排出量:232g/km
乾燥重量:1875kg
パワートレイン:V型6気筒2996ccツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:390ps/5500-6000rpm
最大トルク:52.9kg-m/2500-4500rpm
ギアボックス:9速オートマティック

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