【欧州で一番人気のコンパクトEV】ルノー・ゾエ R135へ試乗 航続距離383km
公開 : 2020.04.02 10:20 更新 : 2020.04.15 18:00
質感を高めたインテリアデザイン
クイックで軽量なステアリングホイールは、低速度域での操縦向き。速度を上げていっても、得られるフィードバックは殆どない。クリオ(ルーテシア)の方が、ドライビング体験はよりダイナミック。フォード・フィエスタの地位は揺るがない。
車内は、最近アップデートされた新しいクリオと、多くの部分を共有する。硬質なプラスティック製パネルは、ソフト加工された素材に置き換わった。エアコンのスイッチは、タッチモニターに集約されることなく、物理的なダイヤルスイッチで行える。
モニター式のデジタルメーターは、同クラスのライバルより高精細。ステレオの操作スイッチが、ステアリングコラムに付いていることは変わらない。
インフォテインメント用のタッチモニターは、縦型の9.0インチ。グラフィックはベーシックだが、インターフェイスは良く操作しやすい。
機能も豊富で、ウィジェットを用いて、メインメニューのカスタムも可能。頻繁に使う機能を、すぐにタップできるように編集できる。
アンドロイド・オートとアップル・カープレイも使えるようになった。試乗車のトップグレードには、スマートフォンのワイヤレス充電機能も搭載される。GTラインの場合、知覚品質に優れる人工皮革と、リサイクル樹脂のインテリアパネルを採用する。
新しいクリオ(ルーテシア)は、ステアリング・ポジションが見直されたが、ゾエは従来どおり。ステアリングホイールに対し高めの位置に座ることになる。防音処理も良くなり、質感が向上した車内のおかげで、居心地は遥かに良くなった。
都市から郊外へ足を伸ばしたくなる
リアシートは、子供なら充分な広さがあるが、大人には狭い。背の高い人の場合、頭上も足元空間も、少し窮屈に感じられるだろう。
欧州本土での人気を見る限り、ルノー・ゾエは英国でも高い支持を集めるだろう。従来どおり、クルマとしては短距離ドライブに向いているが、成熟度を増したことで、都市から離れた郊外へ足を伸ばしたくなる気持ちしてくれる。
ホンダeは、小気味いい走りとハイテクなインテリアを備えているが、航続距離は短い。ミニ・エレクトリックも走れる距離は同等。ミニらしい優れた運動性能を約束してくれるけれど。
いずれも価格は近似しているから、新しくなったゾエのインテリアが、ライバルと比べて秀でているとは感じられないかもしれない。それでもコンパクトEVとしての総合点で、現状ではルノー・ゾエ以上の選択肢はないといえる。
ルノー・ゾエ GTラインR135 Z.E.50のスペック
価格:2万8620ポンド(386万円・英国補助金適用後)
全長:4087mm
全幅:1730mm
全高:1562mm
最高速度:140km/h
0-100km/h加速:9.5秒
航続距離:383km
CO2排出量:0g/km
乾燥重量:1502kg
パワートレイン:電気モーター
バッテリー:52kWh
最高出力:133ps/4200rpm
最大トルク:24.9kg-m/1500−2500rpm
ギアボックス:シングルスピード