【ルノーF1チーム代表インタビュー】激しいプレッシャー 勝負は2022年シーズン 新レギュレーションが復活のカギ

公開 : 2020.05.17 20:50

エクレストンへの批判

果たしてそれは本当だろうか?

アウディポルシェといったメーカーはF1での失敗を恐れているのだろうか?

チームとオーナーたちはまだ議論を続けている。
チームとオーナーたちはまだ議論を続けている。

そして、誰が4位争いをするためにF1に参戦するというのだろう?

2021年には年間予算の上限規制が課されるとともに、新たなテクニカルレギュレーション(2022年への導入延期が決定している)と、より公平で公正な収益分配策が導入される予定であり、すべてがより白熱したレース展開を実現させるためのものだ。

「残念です」と、予算上限の導入についてアビテブールは話す。

「それでも、これ以外にバーニー・エクレストンがチームとの個別交渉によって恣意的に創り出した、以前のコンコルド協定に基づくシステムを是正する良い方法がないのも事実です」

「このシステムはF1を貶めるものであり、ファイナンシャル・レギュレーションの導入が唯一の解決策です。決して望ましくはありませんが必要なものなのです」

「いずれは別の解決策を見つけ出すことが出来るでしょう」

エクレストンに対する批判とは、10年程前、参戦チームの間に広がっていた不安を鎮めるため、彼がフェラーリ、メルセデスとレッドブルの各チームと個別に結んだ契約に関するものだ。

新レギュレーションがカギ

F1の分配金システムに不満を持っていた各チームはシリーズからの離脱を仄めかしたが、老練さを発揮したエクレストンは個別に新たな条件交渉を行うことで、チーム間の分断を図ったのだった。

それぞれの思惑から、「ビッグ3」の各チームがエクレストンと合意した結果、現在に続く「われわれとそれ以外」という状況が創り出されている。

2019年シーズン、ルノーはパワーユニットを供給するマクラーレンの後塵を拝している。
2019年シーズン、ルノーはパワーユニットを供給するマクラーレンの後塵を拝している。

「各チームがふたつのグループに分かれている様な状況を解消する必要があります」と、アビテブールは言う。

「ネットフリックスや街中で行うファンミーティングなど、新たな取り組みが素晴らしい効果を発揮しつつありますが、本気でこうした新たなファン層を開拓したいのであれば、なによりもはるかに白熱したレース展開というものが必要です」

「2022年から導入される新レギュレーションの素晴らしいところは、最初から白熱したレースを実現しようとしている点にあります」

では、それで本当にレースは白熱し、ルノーは勝利を争うことが出来るようになるのだろうか?

アビテブールは楽観的なように見えるが、実際にはルノーF1チームの未来がこの新レギュレーションに掛かっていることも理解している。

「永遠に責任逃れをすることなど不可能です」と彼は話す。

「期待は現実的かつ妥当なものでなければなりませんが、2022年に表彰台に上がれなければ、それはわれわれの責任です」

「レースを席捲出来るとは思っていませんが、表彰台争いをすることが目標です」

シリル、笑顔を見せてくれ。

あのナイジェル・ピアソンのような心からの笑顔を。

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