ロードテスト フォード・プーマ ★★★★★★★★★☆
公開 : 2020.04.04 08:50
結論 ★★★★★★★★★☆
新型プーマで、フォードはこの10年以上を振り返っても最大と思える功績を挙げた。それは、他社が成し遂げることのできなかったものだ。
いまだ成長を続け、重要度の増している小型クロスオーバー市場に、フォードが長年にわたり評価されてきた強みの核心を備えるモデルを投入したのである。
プーマには実に特徴的なデザインの魅力がある。さらに、ハンドリングや運転する楽しさ全般においてはもっとはっきりと、そのスタンダードを引き上げた。
加えて、今回のテストでわかったのは、このクルマのベストな走りを味わうには、もっともパワフルなパワートレインも、スポーティなグレードも選ぶ必要がないということだ。しかも、実用性や洗練性、快適性を、その走りの強みと引き換えに妥協しなくていいのである。
その完全とも思える運動性には感服する。しかし、車載テクノロジーや質感にそれほど目立つところはない。燃費性能に関しても、最新のハイブリッドモデルに期待するほどではなかった。そこが、満点に星ひとつ足りなかった理由だ。
そうはいっても、この手のクロスオーバーのランキングで、新たなトップに位置することは疑問の余地がない。長らく待ち望んだクルマが、ついに誕生したのである。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイヴィス
いまでもBセグメントSUVというコンセプトを全面的に支持しているわけではないが、プーマがこのセグメントにおける待望のクルマであることに疑いはない。心から楽しい驚きに満ちているが、そのどれもがグレートだ。
マット・ソーンダース
プーマと、同じBセグメントSUVであるエコスポーツの対比は実に明確で、エコスポーツが近年の自動車史における戦略的な商品企画としては賢明なものではなかったと思えてくる。よくできたクルマは、どんなによくできたクルマと比べても、よくできていると感じられるものだ。
オプション追加のアドバイス
上位グレードのスポーティさを高めたルックスやセッティングにとらわれず、タイタニウムを選ぶべきだ。300ポンド(約4.2万円)のコンフォートパッケージと、900ポンド(約12.6万円)のドライバーアシスタンスパッケージは、選ぶ価値のあるオプションだ。
改善してほしいポイント
・ハイブリッドシステムの制御系ソフトウェアをリファインし続けてほしい。ペダルフィールの些細な点はまだまだ改善の余地がある。
・キャビンのマテリアルの質感を高めて、チープさを感じさせないようにしてほしい。
・電子制御のスタビリティコントロールは、適切に切り替えられるようにしてほしい。