ロードテスト フォード・プーマ ★★★★★★★★★☆
公開 : 2020.04.04 08:50
内装 ★★★★★★★★☆☆
大胆なエクステリアに比べれば、インテリアに関してフォードはそれほど冒険しなかったといえる。実際、このコンパクトクロスオーバーのキャビンの方向性は、フォードの現行ラインナップとほとんど変わらない。
多くの部分は、暗い色合いの布と硬軟取り混ぜたプラスティックで覆われ、時間を過ごすにつれ、やや単調に思えてくる雰囲気だ。これより表現力に富むキャプチャーなどと比べると明らかにありふれたもので、リッチな質感を持つプジョーの新型2008よりずっと質素に感じられる。
ルックスは物足りないが、そこは機能面で挽回できる。ステアリングコラムもシートベースも調整範囲は広く、ライバル車の多くよりもやや低く、運転に没頭できそうなドライビングポジションを取ることも可能だ。エネルギッシュな走りを重視したプーマだけに、これは喜ばしい。
かつてはダッシュボードを飾り立てるかのように小さなボタンをちりばめたフォードだが、それも過去の話となった。エアコンやシートヒーター、クイッククリアことフロントウインドウのデフロスターの操作部は、サイズも配置の間隔も熟慮され、柔らかいブルーのバックライトによって視認しやすくもなっている。
タッチ式ディスプレイには走行中に操作しづらいものもあるが、フォードの8.0インチのそれはそうでもない。気になったのは、6速MTのシフトレバー。位置はもう少し高く、操作時のきしみ音はもう少し小さくできたはずだ。
後席のスペースはほどほど満足できるが、Tクロスやカミックほど離れて座れるものではない。実測値は、ヘッドルームが860mm、レッグルームが720mm。ちなみに先週テストしたキャプチャーは、920mmと520~680mmだった。
マイルドハイブリッドモデルは、荷室容量が減少する。バッテリーを追加するスペースの都合で、本来なら456Lある通常時の容積が401Lとなるのだ。なお、キャプチャーのラゲッジルームは422Lだった。
ただしプーマには、フロアの下にメガボックスこと80Lのスペースが隠れている。このハードプラスティックのコンテナは、泥だらけの長靴やずぶ濡れのレインコートを放り込むのに最適。水洗いして、床面の栓から排水することも可能だ。