【誰が乗っても笑顔になれる】マツダMX-5 RF(3) 長期テスト 週末旅行の体験
公開 : 2020.04.04 11:50
AUTOCARでもお気に入りのオープンスポーツ、マツダMX-5(ロードスター)。価格と車重がプラスになりつつ、利便性を高めたリトラクタブル・ルーフを備えるRFは、オープンボディ並みの喜びが得られるのでしょうか。長期テストで確かめます。
積算1万2758km 同僚が楽しんだ週末旅行
転職でAUTOCARに加わった筆者だが、同僚の親切さには感銘を受けた。週末に何をしているのか、特に興味を持ってくれていたようだが、実はちょっと勘違いだった。
わたしが休日にどこへ出かけているのかではなく、担当した長期テスト車、マツダMX-5(ロードスター)RFのことだった。週末に郊外へ現実逃避するのに、最高のクルマだからだ。
リトラクタブル・ルーフは、ロードスターの実用性をさらに高めている。乗れるのは2人と、わずかな荷物だけれど。
そこでしばらくの間、MX-5 RFのカギを同僚に貸すことにした。彼らは英国西端のコーンウォールや東端のノーフォークへ走った。中にはドーバー海峡を超えてフランスに行った者もいた。
画像編集を担当するスタッフ、ベン・サマーレルは、パリまでの往復という長距離ドライブを楽しんだ。夜間も含めて、ずっとオープン状態で走ったという。「助手席の人と自然に会話できるノイズの小ささだけでなく、シートヒーターも素晴らしい」 と感想を残している。
一方のダグ・レボルタも、コーンウォールへの道中、基本的にハードトップを開いて走ったそうだ。「移動中、ずっと笑顔でした。暖かい帽子とコートを着る必要があっても、それだけの価値はある体験でした」 と、教えてくれた。
オープン走行を楽しむドライバーにとって、ソフトトップのMX-5(ロードスター)と、リトラクタブル・ルーフを持つRFとの価格差は疑問に感じるところだろう。でもダグは、帰宅途中に土砂降りに見舞われ、屋根のありがたさを認めた。
あれば助かる屋根と必要充分の荷室
フォールディング機構に関して、「開閉時間は素早い方ではなく、動作中はずっと指でボタンを押していなければならず、少し面倒でしたけれど」 とのこと。
筆者も英国西端のスウォンジーへMX-5 RFでのドライブを楽しんだが、ルーフの価値を実感する機会となった。屋根を閉めれば、高速道路でも車内の会話は穏やかにできる。南ウェールズらしい夕立にあっても、濡れることはなかった。
ちなみに、そのスウォンジーではハーフマラソンにトライしたのだが、そこでも雨に振られ、濡れてしまった。筆者の背中には、折り畳めるハードトップがないから仕方ない。
MX-5 RFで週末を楽しむ制限となるのは、ソフトトップ版と同じく、小さなトランクだろう。「コーンウォールへの単独旅行の荷物は積めましたが、余裕があったわけではありません」 と振り返るダグ。ベンも、「必要最低限という意味で、充分ではありました。カバンが潰れてしまいますが」 と話していた。
編集者のマーク・ティショーはMX-5(ロードスター)に乗り慣れているが、美術品も運んだことがあるそうだ。「十分に大きなスペースがあると思いますよ。先に靴やコートを奥に入れて、カバンは最後に積むといいです」
筆者もそう思う。硬いスーツケースではなく、柔らかく大きなトートバッグを用いれば、必要な荷物は積むことができる。ホテルのチェックインで、少し格好が悪いかもしれないが。
2人の週末旅行にも、充分な実用性があるといって良いだろう。そして、自動車旅行を最高の記憶にする2シーターとなれば、運転が楽しくなければいけない。