【まだ1年程度「待ち」】ジムニー発売開始から1年半 それでも納期1年程度が続くワケ
公開 : 2020.04.03 09:20
ジムニー・シエラは海外需要 納期、延びる
一方、直列4気筒1.5Lエンジンを搭載する登録車のジムニー・シエラの場合、ジムニーに比べて納期が長い傾向がある。
原因は、海外からの需要だ。ジムニーは軽自動車のため、基本的に日本市場の専用車。
一方のジムニー・シエラは、2018年7月の日本発売以降、国別で発売時期が異なるため海外から受注が一気に入るタイミングがある。
ジムニー・シエラについては、登録台数データをスズキ広報部から提供してもらった。
2019年1月:1345台
2月:1492台
3月:1499台
4月:883台
5月:639台
6月:615台
7月:622台
8月:463台
9月:832台
10月:698台
11月:863台
12月:876台
となり、2019年合計で1万827台。
2020年に入って、1月が1206台、2月が1220台となった。
2018年7月の新車発表時、国内販売目標台数は年間で1200台。現在の生産体制では1か月分しかない。
それだけ、海外での需要が高いということだ。
2018年の登録台数も紹介すると、生産立ち上げの4月は76台。新車発表月の7月651台。
その後は11月まで500台程度を維持していたが、12月には934台まで一気に伸びた。ジムニーよりひと足早く海外需要のために生産拡大した。
スズキといえば、国別生産台数では日本よりインドが多い。だが、ジムニー・シエラについては海外生産の予定はない、という。
生産が追い付かないほどのジムニー人気、その背景には何があるのか?
海外では「小型Gクラス」 日本では……?
AUTOCAR英国編集部の記事にもあるが、海外でのジムニーは「スモール(メルセデス)G」というイメージが強い。
これまでも、欧州では日本と同様に林業や森林管理などに携わるプロフェッショナルの間では、ジムニーに対する信頼度は極めて高かった。
新型でも悪路走破性の高さへの評価は変わらないが、新しい需要としては、「スモールG」のようなスタイリングが大きく寄与している。
一方、日本では、一部にはジムニー・シエラ「スモールG」という見方もあるが、Gっぽいかどうかは別にして、ジムニーにしても、ジムニー・シエラにしても、機能美に魅せられた新規ユーザーが多いと、ジムニー開発者は見ている。
その中には、オフロード走行をほとんどしない人や、SUV初体験の女性もいる。
日本での人気が続く、ジムニーとジムニー・シエラ。
湖西工場では現在、ジムニー/ジムニー・シエラの他、アルト/スペーシア/ワゴンR/ハスラーなどの軽自動車を生産している。
2019年末発売の新型ハスラーも販売好調であることから、ジムニー、ジムニー・シエラのこれ以上の生産能力拡大をすることは難しいようだ。
そのため、納期が一気に短かくなる要素は、いまのところないと思われる。