【何より怖いサビ】ポルシェ911 930型ビッグバンパー 英国版クラシック・ガイド
公開 : 2020.04.12 07:50 更新 : 2020.12.08 10:55
英国で掘り出し物を発見
ポルシェ911カブリオレ(930) 登録:1989年 走行:14万4064km 価格:3万2995ポンド(445万円)
手頃だからといって、内容も悪くはない。G50トランスミッションを搭載し、6人のオーナーを渡り歩いてきた911は、見るほどに良いクルマに思えてくる。
バルティックブルーのボディは、スカットルに小さな気泡が浮いている意外、ほとんどがオリジナルペイント。右側のサイドシルは最近補修を受けたばかり。左側は工場出荷時のままのようで、サビもない。
荷室の床面の状態も良く、フロントフェンダーやストラットボルトの状態も良好。タイヤはすり減っているが、ホイールも綺麗。整備記録も残っており、最近の走行距離は短いようだ。
これまで20回ほどの整備を受けているが、多くが主要ディーラーでの対応。バルブクリアランスの調整だけでなく、カムカバーはニカシル・コーティングの再処理も受けている。ヒートエクスチェンジャーやエグゾーストも新しい。電動シートもちゃんと動く。
直進性は良く、ブレーキもスムーズ。油温が上がってくると、トランスミッションのシンクロメッシュの調子も出てくる。必要な4barの油圧は3000rpmを超えた辺りで届き、5000rpmを超えると5barに上昇した。
価格なりに完璧とはいえない。でも、検討する価値はある内容だといえる。
オーナーの意見を聞いてみる
VWキャンパー社の代表を務めるアンガス・ワットは、15才の時にファイバーファブのビートル・バギーを購入。フォルクスワーゲン・ライフが始まった。
「長年、ポルシェ911には興味がありませんでした。サンディエゴにキャンパーを買いに行ったのですが、すべてひどい状態。そこにあったのが、930の2.7タルガです」
「屋根を開いてドライブしたら、想像以上に気持ちイイ。その時、ひらめいたんです。そのクルマと、さらに3台の911を購入しました。そこからは楽しい勉強のスタートです」
「このクルマは、カリフォルニアで4年前に購入しました。トランスミッションをリビルトし、クラッチも交換。エンジンの調子を整え、ホイールも新調しました。CDIのマルチスパークシステムに変えてあり、とても楽しいクルマです」
「これまでル・マン、コッパ・ヨーロッパラリー、ドニゴールラリーなどに行っています。次のステップは、メカニカル・インジェクションにして、カレラRSのレプリカにすること。すでに色はRSのものですよ」