【英国版2.0LスカイアクティブGへ試乗】マツダMX-5(ロードスター) 装備を見直し
公開 : 2020.04.05 10:20 更新 : 2021.12.09 23:14
懐が深く扱いやすいFRモデル
従来どおりMX-5は、後輪駆動モデルのドライビング体験を楽しませてくれる。新車として手に入る中で、最も懐が深く、扱いやすいFRモデルの1つだ。
動的性能のレスポンスは、価格が遥かに上のスポーツモデルと同等。0-100km/h加速は6.5秒と、不満は感じないものの、目立って鋭い加速ではない。限界領域まで迫っても、制限速度を大幅に犯す心配もない。
優れた運動性能を支えるビルシュタイン製のサスペンションは、荒れた路面やスピードバンプでの強い衝撃を生んでしまう。常に不愉快さを伴うほどではないものの、荒れた路面では特に、揺れのせいでソフトトップがカタカタと音を立てることもある。
コンパクトなボディを活かし、舗装の剥がれた穴は、ステアリングで回避すれば良い。それに、引き締められた足回りから得られるメリットは、デメリットを大きく上回る。
コーナリングは素早くフラット。標準サスペンションで見られた、低速域での無駄な動きは姿を消している。
装備が充実したMX-5でも、荷物や小物への空間は依然として小さい。トランクには、中くらいのスーツケースが1つ納まるだけ。
センターコンソールに小物入れはあるが、ダッシュボードにはグローブボックスもない。ドアポケットすらない。高速道路での長距離ドライブも楽しめるMX-5だけに、少し残念に思える。
屋根を下ろせばロードスターだけの世界
絶え間なく聞こえてくる風切り音も、悩みのタネ。それさえ我慢すれば、マツダMX-5をホットハッチのように、日常的な移動の足として乗ることも問題ない。
英国では、スポーツサスペンションではない、標準サスの2.0Lエンジン搭載車がラインナップから外れてしまった。リラックスした乗り心地を備えた、高性能エンジン版を求めていた人にとって、少し残念なお知らせかもしれない。
それでも従来にも増して、マツダを代表する小さなスポーツカーは、マルチな実力に磨きがかけられた。街乗りもいとわず、郊外での実力は侮れない。
マツダMX-5(ロードスター)は、楽しさでは価格で並ぶホットハッチに負けない。たとえ最高出力の数字に差があったとしても。
温かい春が来たらルーフを下ろし、右足に力を入れてみる。ほかのクルマには真似することができない世界が待っている。
マツダMX-5(ロードスター)2.0スカイアクティブG スポーツ・テック(英国仕様)のスペック
価格:2万9185ポンド(394万円)
全長:3915mm
全幅:1735mm
全高:1230mm
最高速度:218km/h
0-100km/h加速:6.5秒
燃費:14.5km/L
CO2排出量:155g/km
乾燥重量:1127kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps/7000rpm
最大トルク:20.8kg-m/4000rpm
ギアボックス:6速マニュアル