【究極の1台】初代レンジローバー・バンデンプラを回顧 泥地を駆け抜け、高級ホテルを目指す

公開 : 2020.04.07 11:50  更新 : 2021.10.09 22:38

バンデンプラはなぜ究極なのか

現行で4代目となるレンジローバーだが、フルモデルチェンジの間隔は初代だけが異常なほど長い。1970年のデビューから1996年の最終型まで実に26年間も作り続けられているのである。

その理由は、デザインをはじめとする何かを大きく変える必要がないほど完璧に仕上げられていたからなのだと思う。

日本市場には1989年以降、上級モデルのヴォーグSEがローバー・ジャパンによって正規輸入され人気となっている。現在中古車市場に出ている4ドア、オートマ・モデルはほとんどこの時代のもの。1988年以降、センターデフがビスカスになるなど、機構的な進化も見られる。
日本市場には1989年以降、上級モデルのヴォーグSEがローバー・ジャパンによって正規輸入され人気となっている。現在中古車市場に出ている4ドア、オートマ・モデルはほとんどこの時代のもの。1988年以降、センターデフがビスカスになるなど、機構的な進化も見られる。

とはいえ70年代半ばのオイルショックや80年代半ばまで続いた英国自動車産業の不振の影響も無視できない。

このため数あるクラシック・レンジローバーの中でも、中古車市場で人気が高いのは、初期の2ドアモデルか比較的後期のモデルということになる。

今回スポットを当てるバンデンプラは1992年に登場した最上級モデルで、クロスオーバーSUVとして初のエアサスとロングホイールベースのボディを与えられた、まさに究極のクラシック・レンジローバーである。

現在のプレミアム・クロスオーバーSUVはエアサスによって車高やドライバビリティを可変させることが当たり前になっている。

またベントレーロールス・ロイスといった古豪までもがクロスオーバーSUVの世界に参入を果たす時代でもある。

そういった流行の、まさに原流域にあるモデルこそ、伝統とハイテクをほどよくミックスしたレンジローバー・バンデンプラというわけなのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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