【今、あらためて試乗】初代ランドローバー・レンジローバー・バンデンプラ 究極の「クラシック」がここに

公開 : 2020.04.12 13:50  更新 : 2021.10.11 14:51

ライフスタイルを変える佇まい

重厚にして軽快という一見相反するようなクラシック・レンジローバーの乗り心地。

バンデンプラはそこに、4.2Lというシリーズ最大排気量のローバーV8エンジンと、標準モデルより202mm長いホイールベース(リアシートの足元スペースが広くなっている)と、そしてエアサス特有の浮遊感が加わる。

ボンネットの水平なラインがボディ全周を巡っている。テールゲートは上下2分割になっており、下側は人が座れるくらい強度がある。2分割のテールゲートはレンジローバーに受け継がれるアイコンになっている。
ボンネットの水平なラインがボディ全周を巡っている。テールゲートは上下2分割になっており、下側は人が座れるくらい強度がある。2分割のテールゲートはレンジローバーに受け継がれるアイコンになっている。

ロールス・ロイスの乗り心地は「魔法のじゅうたん」などと言われるが、今回のバンデンプラはまさに「砂漠のロールス・ロイス」そのものなのである。

ドライバビリティや乗り心地もそうだが、クラシック・レンジローバーにあって、現代のクロスオーバーSUVにないものの中には、クルマ自体が纏っている佇まいの良さのようなものがある。

このクルマがあれば、家族や仲間を招きたくなるし、目的地もディズニーランドやショッピングモールよりは、少し気の利いたオートキャンプ場に行きたくなるはず。

リアの荷室に積み込むアイテムにだって、今までとは違うこだわりが生まれるはずだ。

ライフスタイル全般を変えてしまうような力が、今なおクラシック・レンジローバーにはあって、それが人気を支えているのだと思う。

2017年にランドローバー社はリボーンと題して、初期のレンジローバー10台を新車のように仕上げて販売している。

これをきっかけにエバーグリーンカーとしての色がさらに強まっているのである。

記事に関わった人々

  • 吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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