【ひらがなナンバー】「とちぎ」「つくば」「なにわ」「いわき」 漢字ではない深い事情
公開 : 2020.04.06 11:19 更新 : 2021.05.07 18:52
見たことありますか? クルマのナンバープレートの地名がひらがなのものを。「とちぎ」「つくば」「なにわ」「いわき」が、漢字表記ではなく、ひらがなである理由を調べました。それぞれに深い事情が。
ひらがなナンバー、全国に4つ 最古は「いわき」
2020年4月現在、日本に存在するナンバープレートの地名は
北海道:7種類
東北:14種類
関東:35種類
北信越:8種類
中部:18種類
近畿:10種類
中国:8種類
四国:4種類
九州沖縄:13種類
※合計117種類だが、富士山ナンバーが静岡(中部)と山梨(関東)の両方で払い出しされるため、地名の種類としては116種類
ご当地ナンバー制度がスタートして10年以上が経過し、ナンバープレートの地名はひと昔前に比べると格段に増えている。さらに2020年5月11日からは、ご当地ナンバー17種が新たに加わる。
合計123種類の地名がある中で、表記がひらがなであるのは「とちぎ・つくば・なにわ・いわき」の4つのみ。
そもそも、ナンバープレートの地名を決める際の条件に「視認性が十分確保されるよう原則として漢字2文字。やむを得ない理由で例外を認める場合も最大で4文字」という決まりがある。
原則としては漢字2文字なので、ひらがなは少なくなるのも当然。
では、「とちぎ・つくば・なにわ・いわき」はなぜ、ひらがな表記になったのだろうか?
それぞれの事情を調べてみた。
「いわき」と「なにわ」 漢字の表記が複数
「いわき」ナンバー
4つのひらがなナンバーの中で、最も古い歴史をもつのは「いわき」ナンバーである。
1979(昭和54)年4月に福島県陸運事務所いわき支所が開設され、「いわき」ナンバーが登場したのが始まりだ。
いわきの場合は市名や陸運事務所の支所名が「いわき」だったのでそのままナンバーもひらがなとなったが、市名がひらがなの「いわき」に決まるまでは難航を極めた。
「いわき市」は昭和41(1966)年10月1日、平市、磐城市、勿来市、常磐市などの14市町村が大同合併し、当時としては日本一広い面積を持つ市として誕生している。
当時の合併協定書には「常磐地方は古来、石城、岩城、磐城の呼称がつけられており、いずれも文字こそ違えどすべて「いわき」と読み、当地方にとって歴史的にまた住民生活上非常に親しみ深い読み名であり、仮名書は読み方の混乱をさけるため」と記されている。
旧国名としての「磐城」も案としてはあったが、既存の「磐城市」が利することになるため、反対する自治体が多く「いわき市」に落ち着いた。
「なにわ」ナンバー
いわきの次に古い歴史を持つのは「なにわ」ナンバーだ。
1983(昭和58)年11月14日、大阪府大阪市に大阪府陸運事務所なにわ支所が開設されて始まった。
当初は所在地(大阪市住之江区)の「住之江」ナンバーになる予定だったが、事務所の名称が「なにわ支所」であり、市民の強い要望で「なにわ」となった。「なにわ」は管轄区域が大阪市のみ。
なお、「なにわ」がひらがなになったのは、浪速、難波、浪花……と漢字表記が数種類あるため、誰もが読めるひらがなの「なにわ」が採用された経緯がある。
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