【限定249台】マクラーレン・エルバ、日本へ レトロ・イメージを纏う新型オープン・コクピット・モデル

公開 : 2020.04.06 21:48  更新 : 2021.10.11 09:31

マクラーレン・エルバが日本で披露されました。デザイン・プロト車両を撮影してきました。会場から第1報をお届けします。

アルティメット・シリーズ初のオープン・コクピット

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

マクラーレンのトップレンジを受け持つアルティメット・シリーズは、これまでP1、セナ、スピードテールといった究極のモデルを送り出してきた。

その最新作として姿を現したのが新領域といえるオープン・コクピット・モデルの「エルバ」である。そのエルバが、ついに日本でお披露目された。

マクラーレン・エルバのデザイン・プロト
マクラーレン・エルバのデザイン・プロト

これまでのアルティメット・シリーズとは異なり、1960年代のレーシングマシンのイメージを受け継ぐオープン・コクピットのスタイリングを採用するのが特徴。

ドライバーとクルマの一体感、究極のドライビング・エクスペリエンスを突き詰めたモデルに仕上げられている。

エルバが意味するもの

1960年代。マクラーレンの創始者であるブルース・マクラーレンは、アメリカとカナダを舞台に排気量無制限のグループ7レーシングマシンで競われるカンナム・シリーズに挑むことを決意する。

しかし当時のマクラーレンは、まだコンストラクターとしての体制が整っていなかったことから、マシンの製作をイギリスのレーシングマシン・メーカーのエルバ・カーズに依頼した。

マクラーレン・エルバのデザイン・プロト
マクラーレン・エルバのデザイン・プロト

こうしてマクラーレン初のマシンとして「エルバ・マクラーレン」が誕生する。当時としては最先端のテクノロジーを備えていた。後にマクラーレンではM1Aと改名し、M1B、M1Cと進化してゆく。

ブルース・マクラーレンの知見を盛り込んで先進技術を備えていたエルバ・マクラーレンは、マクラーレン・カーズの原点であることから、アルティメット・シリーズ初のオープン・コクピット・モデルに受け継がれて命名されたのである。

ちなみに新たな「エルバ」を製作するにあたり、名称使用権を正式に取得している。

展示車両はデザイン・プロト

今回日本で披露されたマクラーレン・エルバは、先行して製作されたディスプレイ用のショーカーだった。とはいえ基本的なスタイリングと装備を備え、現時点で2台のみが存在するという。

まずマクラーレン・オートモーティブ・アジア ヘッド・オブ・ジャパンの正本嘉宏代表からエルバの説明がなされた。

マクラーレン・エルバのデザイン・プロトの内装
マクラーレン・エルバのデザイン・プロトの内装

イギリス本社のメンバーによるプレゼンテーションは、プロダクト・マネージャーのイアン・ディグマン氏が商品説明、デザイン・ディレクターを務めるロバート・メルビッレ氏がデザイン解説を行った。

マクラーレン・エルバの日本での基本価格は、英ポンド表記となり、137万5000ポンド(本日のレートで1億8475万円)。

ここにオーナーがビスポークで装着するマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)のオプション代金が加算される。

すでに日本からのオーダーも入っているそうで、具体的な台数は発表されなかったが、世界における日本でのマクラーレンの販売割合である7%強を導入すると予想されている。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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