【実物を見て分かった】マクラーレン・エルバ 6つの見どころ デザイン・プロトで解説

公開 : 2020.04.08 07:20  更新 : 2021.10.11 09:31

濡れても平気? 内装の話

エルバは、外装とインテリアの境界をなくすというテーマでデザインされている。シートに座れば、自分自身が外の世界に露出している感覚が得られる。

オープン・コクピットだけに、シートの表皮はポリウレタンをベースとする4レイヤーのウルトラ・ファブリックが採用された。過酷なコンディションにさらされることを想定し、撥水性があり、紫外線で劣化せず、炎天下でも蓄熱しない素材が選ばれている。

シートの表皮は、撥水、放熱性、耐久性に優れ、UVで劣化しない素材を選んだ。内外装の境界を感じさせないために、エアコンのダクトは通常より下方となる乗員の膝まわりに設置。
シートの表皮は、撥水、放熱性、耐久性に優れ、UVで劣化しない素材を選んだ。内外装の境界を感じさせないために、エアコンのダクトは通常より下方となる乗員の膝まわりに設置。

これまでセンター・コンソールにあったアクティブ・ダイナミック・パネルのスイッチは、メーター・クラスターの横に移され、ステアリングを握ったまま操作できる。

また、センター・コンソールには8インチのタッチ式インフォテイメント・システムが備わり、マクラーレンとして初めてアップル・カープレイとグーグル・アンドロイドに対応した。

エグゾースト 高音・中低音 2系統

マクラーレンのエンジニア陣の拘りは、サウンド面にも表現されている。

五感で最高の体験をしてもらうコンセプトのエルバは、排気系に聴覚を刺激する「ニルバーナ・エグゾースト」と名付けられるシステムが採用されたのだ。

高音・中低音の2系統を分割したニルバーナ・エグゾーストが素晴らしい排気音を奏でる。
高音・中低音の2系統を分割したニルバーナ・エグゾーストが素晴らしい排気音を奏でる。

このシステムは、ドライバーに最高のサウンドを提供するレイアウトを用いている。

一見すると分かり難いがテールパイプは、上部に2本、リア・グリルに2本を出す特異なシステムとなっている。

上から出る2本は高音域を担当し、リア・エンドの2本は中低音を受け持つもの。2つの音域をそれぞれチューニングしたことで、これまでにない素晴らしいサウンドを奏でるという。

フロントウインドウ装着車も

オープン・コクピットを採用するエルバだが、ウインド・スクリーンを備えるヴァージョンも用意されている。

アメリカのレギュレーションに合わせて用意された仕様で、その名も「エルバ・ウインド・スクリーン・バージョン」。

マクラーレン・エルバにはウインドウ・スクリーンを備えるヴァージョンも用意。
マクラーレン・エルバにはウインドウ・スクリーンを備えるヴァージョンも用意。

この場合は、アクティブ・エア・マネーメント・システムは省かれ、通常の乗用車のようにフロント・ワイパーが備わる。

なお日本仕様は、スクリーンなしのオープン・コクピット・ボディで調整しているが、希望があればスクリーン付きの仕様でもオーダーに応じるという。

懐かしのカラーリング MSO仕様

現在のプレミアムカーに欠かせないパーソナライズ・プログラムが、このメーカーにも存在する。

「マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)」では、ボディカラーの特別色、内装の色・素材を好みで選ぶことができる。

マクラーレン・エルバ・テーマM6A by MSO(ワンオフ・モデル)
マクラーレン・エルバ・テーマM6A by MSO(ワンオフ・モデル)

その中で注目したいのがカラースキム・パッケージだ。

マクラーレンの歴史を創り上げてきたエルバの名を受け継ぐことから、往年のエルバ・マクラーレンのブラック/シルバーのカラーリングを再現したカラーを用意。

また、1967年からのキウイ・オレンジのカラーリングも提供される。これは、ブルース・マクラーレンのゼッケンだった「4」をまとう「M6A」をイメージしたもの。

こうしたパッケージは20種が用意されるとアナウンスされた。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

おすすめ記事

 

人気記事