ロードテスト ポルシェ718スパイダー ★★★★★★★★★☆

公開 : 2020.04.11 11:50

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

ルーフをクローズして乗れば、通常とボクスターと同じような静粛性が得られるだろうと予想するかもしれない。そうだとしたら、ショックに見舞われることになる。

折りたたみ式のキャンバスルーフは、キャンプ用のテントみたいなものだ。そう長くない距離、風雨や日差しを遮る程度のものにすぎない。走行中も頭上を守る傘としては上出来だが、静粛性はあまり期待しないほうがいい。

スパイダーのルーフは簡易的なもの。雨風は十分に凌げるが、通常のボクスターほどの静粛性は期待できない。
スパイダーのルーフは簡易的なもの。雨風は十分に凌げるが、通常のボクスターほどの静粛性は期待できない。    LUC LACEY

113km/h巡航時の騒音は77dBで、2016年に計測した4気筒のボクスターを4dB上回った。この速度域では、ロードノイズも風切音もかなり大きく、そのせいで高速道路を長距離走るとじつに疲れる。

とはいえ、これはGT部門が手掛けたポルシェだ。おそらくオーナーになろうというひとびとは、ハードコアさにかなりの我慢を強いられることなど織り込み済みだろう。

ところが、オープン時の静粛性はボクスターと大差ない。風音がややうるさいかもしれないが、屋根を開ければそれはしかたのないことだ。

対して乗り心地のよさは、この手の走りにフォーカスしたクルマとしては奇妙なほど。モータースポーツとの関連性を感じさせる走りのキレは強まっているものの、張り詰めたボディコントロールと強い突き上げへの順応性とのバランスは予想以上。覚悟していたほど快適性は犠牲にされていなかった。

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