【移動式オービス】全国各地に続々 生活道路以外でも 10km/h超過で取り締まり対象になることも
公開 : 2020.04.09 05:50 更新 : 2020.04.09 16:57
移動式オービスは「生活道路での取り締まり」を強化するために開発されました。しかし今では、そのフットワークの軽さゆえ、生活道路以外でも多く見られます。10km/h超過でも取り締まり対象になるケースも。
移動式(仮固定式)オービス 全国に続々導入
2016年3月22日に埼玉県北本市内の国道17号線で、全国初の「仮固定式オービス」の本格運用が開始され、丸4年が経過した。
その後、急速な勢いで全国各地に導入が広がり、2020年4月現在では、新潟、茨城、徳島、山口、熊本、鹿児島、沖縄を除く40都道府県に導入されており、残りの県もこの1〜2年の間には導入される見込みだ。
移動式オービスは「生活道路での取り締まり」を強化するために開発されたもの。それゆえ、コンパクトで持ち運びが容易なタイプが主流だ。
高速道路や幹線道路に設置される固定式の速度違反自動取締装置(以下、固定式オービス)や、一般道でネズミ捕りと呼ばれるタイプの速度自動取締装置とは、どんなところが違うのだろうか?
移動式オービスが従来のネズミ捕りや、固定式オービスと違うのは以下の通り。
・可搬式(移動式)であるため、どこにでも設置ができる
・速度違反のクルマに対してナンバープレートの写真を撮り、あとで送られて来るのは固定式オービスと同様
・ネズミ捕りのように違反車両を引き込んで、反則切符を切るための「サイン会場」が不要
・車両を引き込むための広いスペースや車両を停める警察官も不要
これらの違いがあることによって、「狭い場所にも簡単に設置ができて少人数(1~2名)での取り締まりが可能」となるわけだ。
移動式ゆえ、日によって場所が変わる
「移動式」(可搬式)であるため、設置場所が変わる。
常設型の固定オービスとは違うので、日によって場所を変えて取り締まりを行うことも簡単にできてしまう。
移動式オービスにもいくつかタイプがあるが、愛知県警が2016年に導入を発表したタイプは、重量約25kgでジュラルミン製の手提げケースに入れて持ち運びができる。使用する際には三脚を立てて、その上にセットする。
従来のネズミ捕り方式の機械も移動は可能だが、ワゴン車に積載するタイプだと約500kgもの重量があった。
また、車両を引き込むための広いスペースが必要ゆえ、生活道路のような狭いスペースでの取り締まりは物理的に不可能だったのである。
場所を選ばず運用できる移動式オービスは、日々、場所を変えて取り締まりを行っているので特定が難しく、従来のレーダー探知機では検知されない「レーザー式」を用いて測定する機器もある。
まさに神出鬼没の移動式オービスだが、さらにニュースがある。それは、これまではめったになかった「超過速度15km/h未満」を対象とするケースが年々増え始めていることだ。
警察庁が2020年2月に公開した2019年中の「道路交通法違反の取締り状況」によると、2018年→2019年に時速15km/h未満で最高速度違反となった例は43件→340件と件数だけを比較すると8倍増にもなっている。