【インタビュー】アストン マーティンCEO語る 新会長/優先事項、そして将来 高級スポーツカーのビジネスモデル学ぶ
公開 : 2020.04.09 11:40 更新 : 2020.04.10 10:05
投資家ローレンス・ストロールを新しい会長に迎え、アストン マーティンが変革を遂げようとしています。同社の優先事項や将来について、同社のCEOアンディ・パーマーに話を聞きました。
CEOアンディ・パーマー、インタビュー
先月、アストン マーティンV12スピードスターの発表の際、新しい投資家兼、会長であるローレンス・ストロールは、そのステージの中央に立った。
ストロールの専門知識と資金が、アストンに幸運をもたらすと語る、同社のCEOアンディ・パーマーに話を聞いた。
高級スポーツカーのビジネスモデルを学ぶ
――ローレンス・ストロールは、在庫の削減と会社の再編を行うと語っています。実際どのような効果があると思いますか?
「ローレンスは、カナダで長くフェラーリ輸入に携わっており、フェラーリモデルを非常によく理解しています」
「将来的には、スポーツカーの生産台数を減らし、すべてのスポーツカーを確実に収益性の高いものにしたいと考えています。昨年のスポーツカーの卸売り台数は5800台でしたが、2020年はそれより少なくなるでしょう」
――具体的な数字を教えていただけますか?
「残念ながらそれは不可能でしょう。在庫が無くなるまで、辛抱強く待つ必要があります」
「わたし達が変わる時がきています。高級スポーツカーのビジネスモデルを学び、成功をおさめる時です」
「カスタマーに個々に仕様を決めていただき、完成するまで待っていただくことになります。DBXが、その将来像をすでに表しています。2020年は、小売り専用のオーダーが多く入っています」
――レッドブルとの関係は、将来的にどのようになりますか?
「レッドブルは、素晴らしい友人であり、その貢献は非常に貴重です。アストンは今年も継続してF1のタイトルスポンサーとなります」
「年末のヴァルキリー発表後も、レッドブル・テクノロジーズとの協力体制は継続します」
「さらに、現在レーシングポイントとして知られるF1チームと、新しい関係を築くことになります。その関係を生かすのは、わたし達次第でしょう」
ミドエンジンモデルを優先
――ラピードEとラゴンダの電動化計画が棚上げされましたが、なぜですか?
「計画は棚上げされましたが、決して無くなってはいません。ラピードEの開発から多くのことを学びました。その経験と知識は蓄積されています。必要な設備投資も明らかになりました」
「困難な時期があったので、新しい優先事項を決定する必要があります」
――その優先事項とは具体的に何ですか?
「今年のヴァルキリー、2022年のヴァルハラ、2023年のヴァンキッシュの、ミドエンジンモデルが優先と言えるでしょう」
「排気規制に対応するため、2020年代半ばまでに、3.0L V6ハイブリッド、およびプラグインパワートレインも、ラインナップ全体に導入しなければなりません」
「しかし、ラゴンダ・プロジェクトを中止するわけではありません。 2024年以降、再び優先事項として復活することを期待しています」
――ヴァンテージの販売が思わしくないようですが、なぜですか?対応策はありますか?
「実は、このモデルは予測よりも大きな市場シェアを獲得していますが、マーケット全体が縮小しているのです」
「また、全体の需要の約40%を占めると予想されるロードスターの設定がないことも、その一因だと思われます」
「現在提供しているマニュアル・ギアボックスに対する需要は確かにありますが、一部のカスタマーは、現行モデルのグリルより伝統的なものを好むようです。対応策として、多くの人が望む、リース契約の提供を始めました」