【光るタイヤに24金レリーフ】リンカーン・ベース 究極のカスタムカー 前編

公開 : 2020.04.18 07:20  更新 : 2021.03.05 21:27

未来のクルマとして映画にも登場

通常のタイヤに埋め込まれているバンド類は一切なく、ドラム式洗濯機のような機械で製造された。金型に溶けた合成ゴムを充填し、傾けながらトレッド面とサイドウォールを成形してある。

タイヤは12Wの電球で内側から照らされた。ホイールハブはクリスタルで覆われ、ウインカーと一緒に点滅した。

ゴールデン・サハラII(1954年)
ゴールデン・サハラII(1954年)

ゴールデン・サハラIIは、1960年にフランク・タシュリンが撮影した映画、「底抜けシンデレラ野郎」に登場。主役を務めたジェリー・ルイスの未来のクルマとして起用された。

真夜中の鐘が鳴る前に、ルイスは赤いカーペットの敷かれた階段を駆け下りる。ゴールデン・サハラIIのドアは、ルイスが近づくと自動的に開いた。ノーマン・リービットが金色の肌をした運転手を演じていたが、実際の走行シーンはジム・ストリートがこなしたらしい。

映画の撮影と同じ頃、ジム・ストリートは妻のグロリアの助けを借りて、ゴールデン・サハラIIのデモンストレーションを展開した。美しいボディラインを、グラマーな女性が引き立てた。

妻のグロリアは、もとミス・フロリダ。全身を金色に塗り、白いボディに体を寄せた。彼女がいない間は、宇宙船が地球に到着したばかりのように、ロボットがクルマの横に飾られた。

ゴールデン・サハラIIに並んだロボットは、1956年の「禁断の惑星」に登場したロビー・ザ・ロボット。映画の撮影費用、12万5000ドル(1350万円)の中で、最も高額な小道具だ。

その頃までにジム・ストリートがゴールデン・サハラへ投じた費用は7万5000ドル(810万円)以上。1962年には「私の秘密」というテレビ番組に出演。ゴールデン・サハラIIの未来的な機能の一部を紹介している。

この続きは後編にて。

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