【調子が良ければ喜びの塊】TVRタスカン(2代目) 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.04.13 10:20 更新 : 2021.07.12 18:46
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
エンジンオイルやクーラントが漏れていたり、ミスファイアを生じたり、メカニカルノイズが大きいクルマは避けたい。修理は数千ポンド(数十万円)ほど必要になる。
ボンネット内の温度が高いままだと、エンジン付近のゴムホースや電装系、付属品の傷みが早くなる。エンジンオイルとフィルターの交換に加えて、年に1度はすべての点検を行いたい。
メンテナンスを受けるなら、専門店がベター。1万9000km毎にタペット調整が必要となる。費用は650ポンド(8万7000円)程度。
トランスミッション
調子の良いトランスミッションは、操作は重たいが正確に変速できる。クラッチは大切に走っても5万6000kmくらいで交換が必要。
シャシー
腐食していないかを確認する。特に左右に張り出したアウトリガーは錆びやすい。エンジンの熱で、保護コーティングが剥がれやすい。
サスペンションとブレーキ、ステアリング
サスペンションは、オーナーによってアップグレードされていることが多い。社外品の品質を確認する。オリジナルのサスペンションは引き締まってはいたが、過度には硬すぎなかった。タスカンの繊細なシャシーバランスを乱す可能性がある。
ブレーキは強力に効くが、漸進的に制動力が増していくのが正常。ブレーキラインも、変更されているケースがほとんど。
ボディ
開口部のチリは全体的に整っている。フロントスプリッターが割れていないか確認する。クーペの場合は、取り外し可能なプレキシガラスに傷がないかチェックしたい。オリジナルの固定金具は役に立たないことが多く、対策品に変えてあるのが理想的。
インテリア
レブリミッターとシフトライト、メインLCDディスプレイの状態を確かめる。パワーウインドウとドロックは、湿気が原因で不具合を起こしやすい。ルーフシールは新車時から甘い。ヒーターコントロールは、TVR独特のもの。
専門家の意見を聞いてみる
ジェームス・アッゲル ジェームス・アッゲル・オートスポーツ社代表
「これまで、タスカンを購入するなら後期モデルの方が良いとアドバイスしてきました。ですが最近は年式や色、排気量ではなく、良くメンテナンスを受け、弱い部分が対応済みかどうかを優先した方が良いと考えています」
「すべての部品は今でも入手が可能で、修理できないところはありません。タスカンSとタスカン・コンバーチブルは、今でも人気モデルです」
「英国では2万5000ポンド(337万円)くらいからタスカンが見つかります。3万ポンド(405万円)前後が相場でしょう。状態を優先するなら、3万8000ポンド(513万円)から5万2000ポンド(702万円)くらいは必要です」