【どんなルールに?】独フォルクスワーゲン、工場再開までの基準 1.5mの社会的距離/体温測定
公開 : 2020.04.10 19:32
VWが、操業を停止している工場について、再開までのルールを発表しました。1.5mのソーシャルディスタンシング、体温測定の義務など、日本でも参考にしたいです。
1.5m未満は、全員に保護具
独フォルクスワーゲンが、新型コロナウイルスの影響により稼働停止している工場について、「生産再開に当たっては、早さよりも健康を優先する」とコメントした。
今回の発表は、従業員の協議会と経営陣が、VWで働く仲間たちを労使協定によって保護する明確なルール・措置を定めたことによるもの。その内容を詳しく見ていこう。
新しい労使協定の目的は、感染防止と、コロナウイルスに対して早い段階で予防策を講じること。
製造工程の最適化、1.5m以上のいわゆる“社会的距離”が取れない場合の対策、厳格な衛生基準。これらがすべてのエリアに適用される。
具体的には、1.5m以上の距離を保てない場所では、全従業員に口・鼻の保護具の着用を義務、定期的な清掃、接触を避けるためのシフト細分化などを徹底。
さらに従業員には、毎日仕事を始める前に、自分の体温を測定する義務を設けた。こうしたプロセスの最適化は、90以上の分野に渡るという。
再開まで、フェーズは4段階
再開までの大きなフローを見ると、複数の段階を踏んでいく形式であることも分かる。
フェーズ1は最大限の予防策を徹底する期間。フェーズ4は通常のオペレーションに戻る期間。これらを段階的に移行していく形式だ。
こうしたフェーズ間の移行は、会社と従業員協議会の合意の上で決定され、一方的な判断は行われない。
フェーズ1では、生産ペースは通常よりもスローになる。時間が掛かる手順変更に加え、作業サイクルの最適化、ソーシャル・ディスタンシングにより、接触する機会を最小限に抑える期間だ。
オフィスワークをするグループについては、技術開発部門などでテスト運用も始まっている。
具体的には、必要に応じてフレックスタイムの枠を拡張して、タイム・インターバルを確保。また、テレワークを行っているメンバーは、次の通知があるまで可能な限り自宅で作業することが求められている。
全てのこうした規則は、外部パートナーの仲間にも適用されるという。
稼働再開 その時期は?
具体的な日程については、どうだろう?
生産の再開については、中国の工場への部品供給を行うため、すでに部分稼働している部品工場の業務をイースター後の火曜日(4月14日)から拡大する。
ブラウンシュバイク、カッセル、ザルツギッター、ケムニッツ、ハノーバーの各部品工場の従業員(合計1700人)には、上長からその旨の通知が届くという。
これ以外の工場における生産は、引き続き停止し、詳細をイースター後に確定する流れとした。つまり車両工場は、4月後半以降に判断を行うわけだ。
同社の人事担当幹部は、「わたし達は、従業員が安全に働けるように、包括的な予防策を講じています。また、従業員1人ひとりに次のように伝えています。“イースターが終るまで規律正しく行動し続け、(社会的)距離を保ち、自宅に居続けることによって、コロナウイルスの拡散を抑制します。フォルクスワーゲンにとって明らかなことは、コロナウイルスとの戦いにおいて、連邦政府と州政府を全面的に支援するということ”」と説明した。