【クルマ定額制サービス】メーカーにとって、クルマを買ってもらえなくてもいい?
公開 : 2020.04.11 05:50 更新 : 2020.04.11 09:16
「クルマもサブスク」。サブスクとは、サブスクリプションの略。定額制サービスを指します。トヨタが積極的に普及活動をしてますが、クルマは買ってもらえなくてもいいのでしょうか? 車種にも注目です。
トヨタがサブスクに積極的 KINTOを拡充
佐藤浩市、松田翔太など有名俳優が続々出演する、KINTOのテレビCM。
「クルマもサブスクがお得」という。
トヨタの積極的な普及活動によって、一般ユーザーにとって、KINTOの存在がなんとなくわかってきた時期ではないだろうか。
頭金なし、保険料やメンテナンス料が込々とか言われると、サブスクを検討してみるのも「ありか?」と思うようになってきたかもしれない。
今年(2020年)5月からは、KINTOのサービス内容がさらに広がる。
1台のクルマに乗るKINTO ONEでは、これまでの3年間プログラムに加えて、5年間または7年間の長期契約が可能になる。ボーナス併用払いの設定もできる。
だが、こうしてKINTOがどんどん変化していくと、ユーザーにとって残価設定ローンやリースなど、既存の支払いプログラムとの比較がますます難しくなる。
まるで、スマートフォンを購入する時に、販売店から様々な〇〇プランの組み合わせを提案されて、ユーザーはなんとなく納得するが、そもそもスマホの価格がいくらなのかさっぱりわからなくなる。そんなふうに思っているユーザーも多いはずだ。
そういう意味では、クルマもスマホ化するのだろうか?
一方で、KINTOなどクルマのサブスクは、メーカーにとって儲かるビジネスなのだろうか?
そもそも、なぜこのタイミングでトヨタはサブスク推しなのか?
このまま何もしないと5年後に30万台ダウン
KINTOが発表されたのは、2018年11月1日。
その数日後、筆者(桃田健史)トヨタ東京本社でトヨタ国内営業本部の幹部にKINTO導入の背景について直接聞いている。
彼がまず指摘したのは、国内市場の将来的な縮小だ。
トヨタは国内販売台数150万台キープを主張しているが、このまま何もしないで、市場の成り行きに任せてしまうと2025年には120万台まで低下すると、トヨタは見ている。
この差、30万台をどうするか?
半分の15万台は、リースと残価設定ローンの3~5年での乗り換え。10万台は、法人需要。残りの5万台をKINTOなど新しいサービスに期待する、と説明した。
ただし、市場動向やユーザーのクルマに対する考え方は近年、刻々と変わってきているので、状況を見ながらフレキシブルに対応する、とも言った。
2020年5月から、KINTO ONEのサービス内容を拡張するのも、こうした30万台の振り分けの一部修正だと考えることができる。
とはいえ、ユーザー目線はサブスクに、別のサービスが広がることを期待しているのではないだろうか?
サブスクといえば、飲食やネットでのテレビ/映画の視聴のように「〇〇放題」。クルマなら「乗り換え放題」が最も魅力的だ。
KINTOでも、乗り換え放題が一気に広がることはありなのか?