【クルマ定額制サービス】メーカーにとって、クルマを買ってもらえなくてもいい?

公開 : 2020.04.11 05:50  更新 : 2020.04.11 09:16

なぜプレミアムブランドばかりがサブスク?

KINTOにも乗り換え自由プログラムがある。

レクサスを対象とした「KINTO FLEX」だ。サービス開始当初は、KINTO SELECTと呼んでいたが2020年2月に名称を変更している。

KINTO上にラインナップされるレクサス全車種。
KINTO上にラインナップされるレクサス全車種。

例えば、3年間で3台プランでは、月額4万4000円。対象モデルは、レクサスES、IS、RC、RX、NX、UXだ。

海外でも、KINTO SELECTのようなプレミアムブランドでの乗り換え放題プランがある。

例えば、メルセデス・ベンツ・コレクション、ポルシェ・パスポード、アクセス by BMW、ブック by キャデラックなどだ。

いまのところ、実施地域はプレミアム系モデルの販売台数が多いアメリカ市場が主流である。

なぜプレミアム系優先で一般ブランドは置き去りなのか?

最大の理由は、新車自体の利幅の差ではないだろうか。サブスクに限らず、新規の顧客サービスを議論する際、一般ブランドメーカーの幹部は「プレミアム系ブランドのように利幅が大きくないので、付帯するサービス展開にも限界がある」と指摘する。

もう1点は、ブランドに対するロイヤリティの高さの差だ。プレミアム系ブランドではリピーターが多く、また家族で複数所有も多いので買い替え/借り換え時期も短い。

その他、プレミアム系は走行距離も少なく、ていねいに扱うユーザーが多いので、中古車バリューが高いという点もある。

ということは、一般ブランドでの乗り換え放題プランは無理なのか?

いや、どうやらそんなこともなさそうだ……。

注目 ディーラー再編/中古車流通の新動向

注目されるのが、トヨタのディーラー再編と中古車流通の新しい動きだ。

トヨタ系のすべてのディーラーで同じモデルを販売する、全店舗全車種併売が始まった。5月からの実施を目指してきたが、4月から本格的に始まっている地域もある。

これに伴って、一部地域では、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の看板を下ろして、ディーラー経営会社が合併した。

そもそも、KINTO導入と、全店舗全車種併売は、トヨタ本社が同じタイミングで公表した1つのパッケージだ。

その裏付けとして、中古車事業にもメスを入れた。

認定中古車ブランドを、トヨタ認定中古車としてブランドを統一。今後、トヨタ公式中古車サイトで、他の自動車メーカーの公式中古車サイトとの連携を目指す。

さらに、オークションでの仕入れシステムも大幅に改善する。

乗り換え放題のサブクスを増やせば当然、中古車も一気に増える。その受け皿として、中古車版KINTO ONEが2020年1月からテスト的に始まっている。

日系メーカーでは、トヨタが先導するサブスク。2025年あたりには、日系、輸入車問わず、乗り換え放題の時代が到来するのかもしれない。

おすすめ記事

 

人気記事