【RX9いつ量産?】マツダ・ロータリースポーツ復活の噂、最近聞こえぬ背景 販売/法規制の壁
公開 : 2020.04.13 05:50 更新 : 2020.04.13 09:26
ロータリー復活 それでもまだ消えていない?
電動化、自動運転、コネクティビティ、デザイン、プラットフォーム(車体)などとともに、内燃機関(エンジン)の開発ロードマップが示された。
明記されたエンジンは3種類。ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G」、ディーゼルエンジンの「SKYACTIV-D」、そして新投入の「SKYACTIV-X」だ。
「X」は2019年導入とし、実際に「マツダ3」に初搭載された。
「D」は今年(2020年)に第2世代になる予定だ。
「R」の代わりに、ロータリーエンジンはEV向けの発電機として採用することが明らかになった。レンジエクステンダーと呼ばれるシステムだ。
2013年に「デミオ」に搭載した実験機を取材したことがあるが、その量産モデルとなる。
こうしたプレゼンを聞いた一部の報道陣は「Rの話が、レンジエクステンダーと指し返されたのか?」と思った。
だが、それは違う。
筆者(桃田健史)は、ドイツで開催された「X」の先行試乗会を含め、様々な機会でマツダのエンジン開発に携わる幹部と意見交換している。
そうした中で、「R」を完全に諦めた、という話は出てきていない。
もう少し踏み込んでいえば、マツダが当初考えていたより、社会情勢が大きく動いたため、今後について熟考している。
このような表現をするのが、正しいのではないだろうか。
では、社会情勢がどうなれば、「R」搭載の「RX〇〇」は量産されるのか?
「RX〇〇」 販売実績と法規制のハードル
最も大きなファクターは販売だ。
マツダは社内でいう、第6世代で営業実績はV字回復した。新規導入「CX-5」から採用した魂動デザインとSKYACTIV-G/Dを次々に搭載。第5世代に比べ新規モデルの販売価格は上がったが、値引きをほとんどしなくても、新車販売は伸びた。
「RX〇〇」は、そうした第6世代の好調を謳歌していた頃、第7世代でのさらなる飛躍を目指すための夢の具現化だった。ユーザーのみならず、マツダ社員にとっての夢だった。
だが、日産や韓国ヒュンダイなどの過去事例があるように、V字回復後の次の世代は成長は難しい。その法則からマツダも逃れられなかった。期待の北米市場で「マツダ3」の立ち上がりで苦戦し、日本市場では「CX-5」「CX-8」の販売が想定より落ち込みが大きいなど、
厳しい状況にある。
欧米での販売実績は、企業別平均燃費(CAFE) にも影響する。販売量が多い中小型車やミッドサイズSUVの販売が良いことが、相対的に燃費が悪いスポーツカーの存在を支える。
新型コロナウイルス感染拡大がいまだ終息の目途が立たず、世界市場で自動車販売が急激に落ち込んでいる状況では、「R」搭載の「RX〇〇」が早期に量産されることはないだろう。
だたし、マツダ100年の歴史は「あくなき挑戦」の積み重ねだ。
次世代ロータリースポーツプロジェクトは、まだ生きている。