【ハリアーとRAV4】かんたんに比較対象にできないワケ そもそもハリアーはなぜ人気なのか
公開 : 2020.04.15 05:50 更新 : 2021.01.28 18:33
気になるのは、もちろん「乗り味」
現時点(2020年4月中旬)では、新型ハリアーの報道陣向け試乗会の予定が確定しておらず、プロトタイプを含めて実走できていない。
だからこそ、先代から「乗り味」がどういう方向へ進化したのかが、気になるところだ。
こうした思いを持つ、先代ハリアー・オーナーも多いのではないだろうか。
そもそも、ハリアーのウリは上質な乗り味だった。
時計の針を少し戻すと、90年代後半に登場した初代ハリアーは、アメリカで使われ始めていた、乗用車のプラットフォームを活用したクロスオーバーSUVとして、乗り味の良さが世界各地で絶賛されていた。
当時、アメリカではレクサスRXを名乗り、レクサス創世記の稼ぎ頭となった。
欧米各社は、レクサスRX(ハリアー)をベンチマークとして、クロスオーバーSUVの走りと乗り味の上質化を進めていった。
一方、3代目からレクサスRXとは別の道、”ほぼ日本専用車”を歩み始めたハリアーは、デザイン優先の都会派SUVというイメージが強まった。
そうした中で、ハイブリッド、ターボとパワートレインが拡充するスピードが、車体の改良を少し追い越してしまった印象がある。
見方を変えると、新型ハリアーは新型車体TNGAの効果をはっきりと感じ取れるはずだ。
乗り味の上質さは、先代比で少なくとも2段階上がると予想される。
ハリアーとRAV4 比較対象になる?
新型ハリアーで、走りの比較対象として挙げられるのは当然、RAV4だ。
ボディサイズは、ハリアーが全長で140mm長く、全幅が同値、全高が25mm低く、ホイールベースは2690mmで同じ。
2モデルは基本的にプラットフォーム「GA-K」を共有する。
エンジンと駆動方式も、直噴直列4気筒2L(M20A-FKS)がFFと4WD、またハイブリッド(A25A-FXS)はFFと後輪をモーター駆動するE-Four採用と、2モデルは同じだ。
となれば、新型ハリアーの乗り味は、おのずと連想できるはずだ。
だが、乗り味のセッティングが、かなり違うのではないだろうか。
なぜならば、2モデルの開発総括者は同じで、彼は常々、「ハリアーとRAV4はまったく性格の違うクルマ」という点を強調しているからだ。
RAV4がオフロードを真剣に攻められるクルマに仕上げたからには、新型ハリアーはオンロードで極めて上質な走りになっていなくてはおかしい。
高度運転支援システム「トヨタ・セーフティ・センス」の最新バージョンの味付けも、新型ハリアーらしい走りに深く関係するはずだ。
ハリアー道を極める、新型ハリアーの乗り味、大いに期待したい。