【ツインカム・エンジンが放つ機能美】1928年製レーサー アミルカーC6 前編

公開 : 2020.04.25 16:50  更新 : 2020.12.08 11:05

巨大なベントレーと渡り合ったC6

ボールズのチームはクラス優勝を挙げた上に、総合でも2位から4位を独占。勝てなかったのは、総合優勝したマルコム・キャンベルがドライブするブガッティだけ。

この勝利をきっかけに、モータースポーツがプロモーションに大きな高価があると判断。C6で積極的に活動を進める。

アミルカーC6(1928年)
アミルカーC6(1928年)

エンジンはプレーンベアリングではなく、ファクトリー仕様のローラーベアリングを備えていた。ブルックランズの波打ちの多いバンクカーブを、高回転で走行することを見据えて。

「素晴らしい加速力を持ち、6500rpmまで吹け上がります。最も素晴らしいクルマでしたね」 と1972年のインタビューで、ボールズは答えている。

ボールズは、1928年シーズンのブルックランズで、スーパーチャージャーを搭載するC6を走らせ167km/hを記録。この記録を目にした裕福な自動車愛好家たちは、ロンドンに構えたアミルカーのショールームに集まった。

最初に英国で登録されたアミルカーC6のナンバーはYW 91。詳細は不明だが数年後、ビル・ハンフリーズがオーナーとなり、アレック・フランシスのチューニングが加えられ、最速のC6となる。

黒いボディが特徴のC6は、1931年の500マイルレースへ出場。小さなレーサーは、巨大なベントレーと160km/hのスピードで渡り合った。残り3周のところでフロントアクスルが破損。トラブルがなければ、クラス優勝は間違いなかっただろう。

さらにハンフリーズはC6へ特性のカムシャフトを与え、16psiの強力なスーパーチャージャーを取り付けた。シーズンオフ期間のメンテナンス中には、シャシーをクロムメッキ。強い個性をも与えたが、その後手放している。

アミルカーC6の続きは、後編にて。

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