【鍵はサウンド】アストン マーティン、新開発V6ハイブリッドをV8の代替に
公開 : 2020.04.17 11:50
今後も当分はV12エンジンの製造を継続
このV6エンジンは英国で生産される予定だが、供給元はまだ決まっていない。フォードがまもなく閉鎖するブリッジエンド工場は、アストン マーティンのセント・アサン工場と地理的に近いものの、まったく無関係であるという話だ。
また、アストン マーティンは5.2リッターV12ツインターボ・エンジンの製造を英国に移すことも計画していると、Autocarは同社の関係者から耳にした(現在はドイツのケルンにあるフォードの工場で製造されている)。また、このV12エンジンには電気的な装置を加える計画もあるという。
アストン マーティンは昨年、1800台近くのV12エンジン搭載車を販売した。このパワープラントを英国に移すということは、引き続きその採用を意味する。
「長期的に見れば、いつまでも継続できるわけではありません」と、パーマーは認めた。「しかし、間違いなく今後も数年間は、V12エンジンの生産を続けることができます。われわれはこのエンジンのCO2排出量をさらに減らすことも可能です」
WEC参戦撤回の理由は「ルールが変わったから」
英国政府は、2035年までにガソリンおよびディーゼル・エンジンを搭載するすべての新車(ハイブリッドも含む)の販売を禁止する計画だ。これは自動車メーカーにとって大きな試練となるだろう。パーマーはマクラーレンのマイク・フルーイットCEOと同様、他の市場で需要がある限り、内燃エンジンを搭載するハイブリッド車の開発を止めるつもりはないと認めた。
「大事なことは、われわれが世界に向けてクルマを作っているという事実です。世界中が、ハイブリッドやプラグインハイブリッドに未来はないと言っているわけではありません」と、パーマーは言う。
「もし、われわれが英国だけでクルマを販売しているのであれば話は別です。しかし、われわれは世界中の市場を相手にしているのです。世界では、将来のテクノロジーやその使い方について、様々な見方があります」
次にわれわれはパーマーCEOに、アストン マーティンが世界耐久選手権のハイパーカー・クラス参戦を撤回したことについても尋ねてみた。
「ルールが変更されたからです。それ以上でも以下でもありません」と、同CEOは説明した。「主催者側は、IMSA車両の参戦を認めました。(ル・マンを主催する)ACOがビジネスケースを崩壊させてしまったのです。それ以外に、会社の状況とか、内部の駆け引きとか、一切関係ありません」
「当初の話では、ハイパーカーがハイパーカーと競い合うレースになるということでした。われわれもそう信じていたのです。しかし、今回のルール改変が、1年後のレースをより低コストで行う方法になるとは、われわれには思えませんでした。すべてが白紙に戻ってしまったのです」