グレート・ウォール・スティードS

公開 : 2012.04.21 10:08

■どんなクルマ?

新しいピックアップの登場は大したニュースにはならないかもしれないが、それが英国で発売される最初の中国製モデルであるとなると話は別だ。

グレート・ウォール・スティードは、4ドアのダブル・キャビンのピックアップで、しかも4輪駆動モデルである。その価格は13,998ポンド(184万円)と、今日発売されている4WDダブルキャビンのピックアップの中で最も安い。ライバル達は、その価格では乏しい装備の2WDシングルキャビンしか販売することはできない。

スティードSというグレードを選べば、レザー・トリムとブルートゥース・コネクト、アロイ・ホイール、エアコン、ヒーテド・フロント・シートが装備され、もし2,000ポンド(26万円)余分に払うことができるのであれば、加えて、ハードトップ、ロード・ライナー、クローム・サイドバー、そしてパーキング・センサーも装着されるスティードSEグレードが選択できる。

■どんな感じ?

スティードはその安い価格と馴染みのない名前にもかかわらず、メジャーなライバルと同じようなスペックを持つ。紙の上では141bhpを発揮する2.0リッター・ディーゼル・ターボ・エンジンは、まだ故障の不安がつきまとうし、入りづらい6速マニュアル・ギアボックスによって、そのパフォーマンスを発揮するのを邪魔される。

高速道路での乗り心地は良いが、低速域でバンプを越える際には安定さに欠け不快な感じがつきまとう。

フル積載の状態でのテストを部分的に行ったが、オフロードであっても運転は容易で、その点ではサスペンションに及第点を与えることができる。2WD、あるいは4WDモードにかかわらず、足元は確かでしかっりとしたフィーリングが感じられた。

ステアリングは若干重めで、総じて的確なフィーリングだ。また、キャビンからの視認性は良く、クルマの四隅は掴みやすい。

インテリアに使われているプラスティックはハードなものだが、その代わり耐久性には優れていると思われる。従って、この手のクルマにありがちな荒々しい取り扱いには耐えられそうだ。

上下可動式のステアリングを備えるためドライビング・ポジションは快適で、ヘッドルームもフロント、リア共に十分だ。計器類は、総じては論理的に配置されているが、オーディオとベンチレーション・コントールは、上部にありすぎるように感じられた。また、スピードメーターも不明解で30mphあんおだ70mphなのかを一目で確認することは難しいデザインである。

■「買い」か?

その価格が安いだけでなく、グレート・ウォール・スティードはその装備から見ても十分に正当な価値があるクルマだ。馴染みに薄い名前だからといってこのクルマを避けることない。何故なら、グレート・ウォールは実は35年間にわたって700,000台以上のスティードを世界中で販売してきたのである。

もし、中国製のクルマの安全性に不安があるかもしれないが、グレート・ウォールは、スティードがヨーロッパの安全基準に則って製造されているクルマであるとコメントしている。とはいうものの、ユーロNCAPのクラッシュ・テストは受けていないが。

時間だけが、彼らの主張が真実か否かを見分けることになろう。

(イアン・ロバートソン)

グレート・ウォール・スティードS

価格 13,998ポンド(183万円)
最高速度 140km/h
0-100km/h加速 17.0秒
燃費 12.0km/l
Co2排出量 220g/km
乾燥重量 1835kg
エンジン 直列4気筒ターボ・ディーゼル1996cc
最高出力 141bhp/4000rpm
最大トルク 31.1kg-m/1800rpm-2800rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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