【手頃な価格でも整備費用は侮れない】BMW X5 英国版中古車ガイド E70型
公開 : 2020.04.22 10:20 更新 : 2021.07.12 18:46
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
冷間時はタイミングチェーンからのカタカタという異音に注意する。インジェクターの不良で、始動性が悪かったり、回転が荒くなる場合がある。排気ガスが白い場合、ターボアクチュエーターの故障が疑われる。ベアリングからの異音にも注意。
後期型のディーゼルでは、距離を重ねるとDPF(パティキュレート・フィルター)の不具合が生じやすい。マニフォールドを溶かす恐れもある。修理は安くない。初期のディーゼルは、グロープラグが詰まりがち。交換には、吸気マニフォールドを外す必要がある。
全般にシリンダーヘッドやインジェクター周りは、故障しやすい。
トランスミッション
初期のクルマでは、フロントのプロペラシャフトにリコールが出ている。対応済みか確認したい。ユニバーサル・ジョイントを壊し、エンジン下部を叩いてしまう。
定期的なソフトウエアのアップデートは有効。初期の6速ATの場合、トルクコンバーターやメカトロニック、クラッチパックなどが傷みやすい。
サスペンション
ブッシュ類は14万5000kmほどで交換が必要。リアサスペンションのエアバッグの状態を確認する。エアポンプも正常か見ておきたい。
ブレーキとホイール
電子サイドブレーキが正常かを確認する。まれにオンの状態でロックされてしまう。ランフラットタイヤはホイールへの脱着が難しい。ブレーキもタイヤも、安い出費ではない。
ボディ
オフロード走行やトレーラーの牽引によるダメージを確認する。フォグライトの曇りも見ておきたい。
インテリア
すべての警告灯が付き、走行時は消えることを確認する。パノラミックガラスルーフの不調も一般的。事前に動くかどうか、確かめたい。
専門家の意見を聞いてみる
ジャスティン グローブナー・ガレージ社代表
「E70型のX5は、信頼性は高くありませんが、価格が安いので人気があります。2万ポンド(270万)を超えるクルマもありますが、多くは4000ポンド(54万円)から1万ポンド(135万円)。修理費用は別ですが」
「お値打ちに思えますが、修理には多くの費用が必要です。今は大丈夫でも、後々には発生することも少なくありません」
「例えばエアサス。サスペンションのエアバッグは空気漏れしやすく、エアポンプが機能している限りは大丈夫そうに見えます。ですが追々エアポンプもだめになると、修理費用は2倍に膨らみます。注意した方が良いですよ」