【後輪も「曲がる」】四輪操舵システム、ようやく脚光? 注目モデル10選 懐かしのモデルも
公開 : 2020.04.26 08:50 更新 : 2021.01.30 21:27
最近採用するモデルが増えて来た四輪操舵システムですが、この技術が日本生まれだったことをご存知でしょうか? 保険料の高騰などもあり徐々に忘れ去られていったこの技術を彩る、古今東西のモデル10台をご紹介します。
もくじ
ーパイオニアはR31スカイライン
ーBMW 850 CSi
ーホンダ・プレリュード
ークセドス9(日本名:マツダ・ミレーニア)
ーランボルギーニ・ウルス
ー三菱3000GT(日本名:GTO)
ーフォードF-150プラチナムZF
ーポルシェ911 GT3
ーフェラーリF12tdf
ールノー・メガーヌRS
ー日産300ZX
パイオニアはR31スカイライン
自動車シャシー技術のなかでもっとも議論を呼ぶもののひとつが、ハイテクの国、日本で考案されたと聞いても驚くには値しないだろう。
アクティブリア操舵システム(4WS)が初めてその姿を現したのは1985年のことだったが、最初にこのシステムを採用したのが、当時最新技術の塊だと思われていた日産R31スカイラインだったのは当然かも知れない。
それでも、この技術を広くひとびとに知らしめることに成功したのは、1987年に登場するや世界中で販売されたホンダ・プレリュードだ。
そして、いち早く4WSのメリットに注目したのが、米国の自動車雑誌「Road & Track」だった。
1987年、彼らはスラロームコースを舞台に、プレリュード2.0i 4WSとシボレーやフェラーリ、ポルシェといったスポーツカーを対決させているが、この慎ましい日本製クーペはその多くを打ち負かしている。
それでも、他の多くの革新的技術と同じく、4WSの新規性も時が経つにつれてその効力を失っていったのであり、この高価なシステムを搭載した車両は、万一追突事故に会った際には修理コストが高額になることから、保険会社をもうんざりさせることとなった。
その結果、アクティブリア操舵は徐々にひとびとから忘れ去られた存在となっていったのだ。
だが、すべてのモデルが大きく重くなっていくなか、駐車場でもサーキットでも車両をより扱いやすくすることの出来るこのシステムの利点がようやく認められ始めたようだ。
古今東西、四輪操舵システムを与えられた注目すべき10台をご紹介しよう。
BMW 850 CSi
E31世代の8シリーズでフラッグシップの座にあった850 CSiが値崩れしている理由をご存知だろうか?
それは、このクルマが搭載していた四輪操舵システムであるAktive Hinterachs-Kinematik(AHK)の信頼性が極めて低く、多くの場合その修理には驚くほどのコストが必要となるからだ。
850 CSiは380psを発揮する5.6L V12エンジンを積んで、BMW Motorsport社の手も入っていたが、問題は1990年代初頭に約8万ポンドというプライスタグを掲げていたということだった。
ホンダ・プレリュード
ひとびとに四輪操舵システムを知らしめたのがこのプレリュードだ。
このクルマが搭載していたシステムでは、フロントと同じように1.5°から最大246°のステアリング入力に応じて後輪が操舵されていた。
ステアリングをロックするまで回転させると、リアがフロントと逆位相に最大5.33°まで切れるこのクルマの最小回転半径はわずか5mに留まっていた。
それでも、追突のリスクを考えた保険会社が、このリアに複雑なステアリング機構を持つクルマに設定した保険料は決して安いものではなかった。